生物

コケ植物とは | 特徴と代表例について解説!【中学 理科】

1. コケ植物とは

コケ植物」とは、種子をつくらない植物の分類の1つです。

コケ植物には、次の3つの特徴があります。

葉、茎、根の区別がない
維管束がない
種子をつくらず、胞子でふえる

コケは他の植物とは違う特徴を多く持っています。

コケ植物の特徴についてはあとで詳しく説明します!

その前にまずは、コケ植物にどのようなものがいるかみていきましょう!

2. コケ植物の例

コケ植物にも色々な種類がいます。

今回は、代表的なコケ植物である「ゼニゴケ」「スギゴケ」について紹介したいと思います!

コケをあまりよく見たことがない人もいると思いますが、よく見るとそれぞれ形が違って面白いですよ(^○^)

① ゼニゴケ

ゼニゴケの写真
Photo by Isana Chiba(2019)/CC BY-SA 4.0

ゼニゴケ」は日本では北海道から九州まで広い地域でみられます。

学校の校庭にもよく生えているので、学校の実験でもよく使われます。

ゼニゴケの雄株(おかぶ)雌株(めかぶ)のつくりは次のとおりです。

雄株(おかぶ)雌株(めかぶ)
ゼニゴケの雄株のイラストゼニゴケの雌株のイラスト

② スギゴケ

次に紹介するのは「スギゴケ」です。

スギゴケは、その名の通りスギの葉に形が似ているコケ植物です。

スギゴケは鮮やかな緑色をしているので、日本庭園にも使われます。

スギゴケの雄株(おかぶ)雌株(めかぶ)のつくりは次のとおりです。

雄株(おかぶ)雌株(めかぶ)
スギゴケの雄株のイラストスギゴケの雌株のイラスト

雌株には、胞子がはいった「胞子のう」があります。

3. コケ植物の特徴

コケ植物には、次の3つの特徴があります。

葉・茎・根の区別がない
維管束がない
種子をつくらず、胞子でふえる

どれも大切な特徴なので、ひとつずつ詳しくみていきましょう!

① 葉・茎・根の区別がない

コケ植物の1つめの特徴は「葉・茎・根の区別がない」ことです。

つまり、コケ植物は葉・茎・根を持っていません。

コケ植物はこれらのつくりを持っていない代わりに次の2つの特徴を持っています。

「仮根(かこん)」をもっている。
からだ全体から水を吸収する。

コケ植物は「根」を持っていません。その代わりに「仮根」を持っています。

ゼニゴケ、スギゴケの仮根をもう一度確認しておきましょう。

ゼニゴケスギゴケ
ゼニゴケの雌株のイラストスギゴケの雌株のイラスト

仮根は、根のように水を吸収しません

仮根は、地面や岩にくっつくという役割があります。

また、コケ植物は根で水分を吸収する代わりに、からだ全体から水を吸収することができます。

② 維管束(いかんそく)がない

コケ植物の2つ目の特徴は「維管束(いかんそく)がない」ことです。

かめ吉

維管束ってなんだっけ?

「維管束(いかんそく)」とは、水や養分を全身におくるための管です。

下の画像は双子葉類と単子葉類の維管束を表したものです。

単子葉類と双子葉類の維管束
右:双子葉類の維管束   左:単子葉類の維管束

赤い部分が維管束で、水や養分の通り道となります。

コケ植物にはこのような管がないという特徴があります。

③ 種子をつくらず、胞子でふえる

コケ植物の3つ目の特徴は「種子をつくらず、胞子でふえる」ことです。

かめ吉

そもそも「胞子(ほうし)」ってなに?

中学校の理科ではあまり詳しくは出題されないので、簡単に説明します。

胞子とは、簡単にいうと新しい子どもの細胞そのものです。

胞子種子のようにかたいカラに包まれていないので、乾燥に弱いという特徴があります。

コケ植物は、種子の代わりに「胞子」をつくり飛ばすことで仲間を増やします。

胞子は雌株(めかぶ)の「胞子のう」のなかにはいっています。

胞子のイラスト

4. 生物の分類

今回紹介した「コケ植物」以外にも生物は色々な分類の方法があります。

たとえば、「植物」や「動物」も生物の分類の1つです。

中学校では、植物や動物の分類について詳しく習うので、この機会に少しだけ復習しておきましょう!

① 植物の分類

植物には大きく分けて、「種子をつくる植物」と「種子をつくらない植物」の2種類がいます。

植物には種子をつくる「あ被子植物(ひししょくぶつ)」「裸子植物(らししょくぶつ)」がいます。

また、種子をつくらない植物には「シダ植物」「コケ植物」がいます。

図:植物の分類

② 動物の分類

動物には、「セキツイ動物」と「無セキツイ動物」の2種類がいます。

セキツイ動物とは、背骨をもつ動物のことです。

セキツイ動物には「魚類」「両生類」「ハチュウ類」「鳥類」「ホニュウ類」がいます。

一方で、無セキツイ動物とは、背骨を持たない動物のことです。

例えば、カブトムシ、ムカデ、タコ、イカなどは無セキツイ動物です。

無セキツイ動物には、「節足動物(せっそくどうぶつ)」「軟体動物(なんたいどうぶつ)」などのさらに細かい分類もあります。

動物の分類
図:動物の分類

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