中学校の理科では、「質量」と「重さ」について学習しますが、質量と重さの違いについてよく理解できていますか?
この記事では、「質量とは」「重さとは」「場所による質量と重さの違い」などについて解説しています。
それでは早速、「質量と重さの違い」について、一緒に学習していきましょう!!
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0. 「力」の記事 一覧
「力」に関係する記事の一覧です!
今、学習している内容がどこにあたるか確認しておきましょう!
1. 質量とは
① 質量の特徴
○ 質量 … 物体そのものの量のこと。
質量の特徴は、次の通りです。
・単位は、「g(グラム)」や「kg(キログラム)」で表す
・「上皿てんびん」を使って測る
・場所によって変化しない
これだけでは、分かりづらいと思いますが、まだ分からない方もこれから詳しく説明するので、このまま読み進めてください!
② 質量の例
質量は、「g(グラム)」や「kg(キログラム)」で表すことができます。
そのため、「〜g」や「〜kg」のように表すことができるものはすべて「質量」です。
「質量」の例には、次のようなものがあります。
・体重
45kg 、60kgなど「kg」で表す。
・食材(肉や米)の量
500g や 2kg など「g」や「kg」で表す。
・ダンベルの質量
5kg や 10kg など「kg」で表す。
2. 重さとは
① 重さの特徴
〇 重さ … 物体にはたらく重力の大きさのこと。
「重さ」の特徴は、次の通りです。
・単位は、「N(ニュートン)」で表す
・「ばねばかり(ニュートンばかり)」を使って測る
・場所によって変化する
ちなみに、「1N」は、「地球で、約100g の物体にはたらく重力の大きさ」のことを示しています。
② 重さの例
「重さ」は、理科の実験でも使う「ばねばかり(ニュートンばかり)」を使って測ることができます。
「1N」は、「地球で、約100gの物体にはたらく重力の大きさ」のことでしたね。
これをふまえて、下の例について考えてみましょう。
【例 : 300gのリンゴの重さ】
リンゴをばねばかりに吊るすことによって、「重さ(リンゴにはたらく重力の大きさ)」を計ることができます。
地球上では、「約100g → 1N」なので、「300g → 3N」となります。
したがって、300g のリンゴの重さ(リンゴにはたらく重力の大きさ)は、「3N」です。
3. 場所による質量と重さの違い
「質量」と「重さ」についてはなんとなく分かったけど、まだこの2つの違いがよくわからないや
まだ、「質量」と「重さ」の違いについては、詳しく説明してなかったね!
実は、質量と重さの大きな違いは、『場所によってへんかするかしないか』という点にあるんだ!
分かりやすいように、「地球」と「月」の2つの場所で、300gのリンゴの質量と重さがどう変化するか説明するね!
おねがいします!!
① 地球の場合
先ほども例で説明した「300g の リンゴ」について、考えていきましょう。
【地球でのリンゴの質量(g, kg)】
「質量」は、上皿てんびんで測ることができます。
上皿てんびんを使うと、次の図のように、分銅 300g とつり合います。
そのため、地球でのリンゴの質量(物体そのものの量)は「300g」となります。
【地球でのリンゴの重さ(N)】
地球での「1N」は、「約100gの物体にはたらく重力の大きさ」のことです。
そのため、地球での300g のリンゴの重さ(物体にはたらく重力の大きさ)は、「3N」となります。
地球での「質量」と「重さ」についてまとめると、次の図のようになりました。
② 月の場合
続いては、月での「質量」と「重さ」についてです。
月は、地球より重力が弱く、物体にはたらく重力の大きさが「地球の6分の1」になります。
【月でのリンゴの質量(g,kg)】
質量は、上皿てんびんで測ることができます。
月でも、リンゴと分銅の質量(そのものの量)は、変わりません。
そのため、地球と同じように、リンゴは300g の分銅とつり合います。
したがって、月でのリンゴの質量(物体そのものの量)は、地球と同じ「300g」となります。
【月でのリンゴの重さ(N)】
月では、物体にはたらく重力の大きさが「地球上の6分の1」になります。
そのため、地球上で「3N」だったリンゴにはたらく重力の大きさも6分の1になります。
したがって、月でのリンゴの重さ(物体にはたらく重力の大きさ)は、「0.5N」となります。
月での「質量」と「重さ」についてまとめると、次の図のようになりました。
③ 地球と月での違いのまとめ
上の地球と月での「質量」と「重さ」の違いを図にまとめると、次のようになります。
したがって、「質量」と「重さ」の場所での関係は次のようになりました。
「質量」 → 地球や月など、場所によって変化しない。
「重さ」 → 地球や月など、場所によって変化する。
このように、「質量」と「重さ」には大きな違いがあるので、覚える時の参考にしてください!
4. 【コラム】質量と重さの関係
※ ここからは、高校の範囲になります。中学校の範囲ではないので、興味のある方だけ読んでみてください。
「質量」と「重さ」の違いは分かったけど、この2つは全く無関係なの?
良い質問だね!実は、「質量」と「重さ」は、1つの式で表せるような関係にあるんだ!
1つの式に表せるってどういうこと?詳しく教えてほしいな!
わかった! 次は、質量と重さの関係を詳しく説明していくね!
物理の世界では、身近な現象を数学のように、式で表します。
物理では、「重力」を次の式で求めることができます。
W = m × g
W:重力(N) m:質量(kg) g:重力加速度(m/s²)
式に出てくる「重力加速度(m/s²)」は、重力によってどれだけ物体が加速するかという数値です。
高校では、「重力加速度(m/s²)」は、「9.8 m/s²」で計算することが多いです。
この式をみると、「重力(W)」は、「質量(m)」と「重力加速度(g)」のかけ算で求めることができるということが分かります。
つまり、「重力」は「質量」と無関係ではなく、「重力」を求めるときには、「質量」の値が関係することが分かりますね!
5. まとめ
今回は、「質量と重さの違い」について解説していきました!
地味で素朴な部分ではありますが、今後、中学・高校と「物理」を勉強するうえで、とても大切な部分になるので、今のうちに理解しておいて損はありません!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!