物理

質量と重さの違い【中学 理科】

中学校の理科では、「質量」と「重さ」について学習しますが、質量と重さの違いについてよく理解できていますか?

この記事では、「質量とは」「重さとは」「場所による質量と重さの違い」などについて解説しています。

それでは早速、「質量と重さの違い」について、一緒に学習していきましょう!!

【はじめに】自己紹介

このサイトは、現役の中学教師である「たつや」が管理・運営しています。


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現役の中学校教師
理科教育歴 5年
理科の中でも「生物」が大好き!
サイト運営 2021年7月~
座右の銘は「不言実行」

まだまだ発展途上のサイトで、至らない点も多くあるかと思いますが、これからも「かめのこブログ」をよろしくお願いいたします(^○^)

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0. 「力」の記事 一覧

「力」に関係する記事の一覧です!

今、学習している内容がどこにあたるか確認しておきましょう!

【「力」の記事 一覧 】

 ① 力のはたらき   

 ② 力の種類

 ③ 質量と重さの違い   (←今はここ!)

 ④ フックの法則


1. 質量とは

① 質量の特徴

質量物体そのものの量のこと。

質量の特徴は、次の通りです。

【質量の特徴】

・単位は、「g(グラム)」や「kg(キログラム)」で表す

・「上皿てんびん」を使って測る

・場所によって変化しない


これだけでは、分かりづらいと思いますが、まだ分からない方もこれから詳しく説明するので、このまま読み進めてください!

② 質量の例

質量は、「g(グラム)」や「kg(キログラム)」で表すことができます。


そのため、「〜g」や「〜kg」のように表すことができるものはすべて「質量」です。



「質量」の例には、次のようなものがあります。

体重
 45kg 、60kgなど「kg」で表す。

食材(肉や米)の量
 500g や 2kg など「g」や「kg」で表す。

ダンベルの質量
 5kg や 10kg など「kg」で表す。


2. 重さとは

① 重さの特徴

重さ物体にはたらく重力の大きさのこと。


「重さ」の特徴は、次の通りです。

【重さの特徴】

・単位は、「N(ニュートン)」で表す

・「ばねばかり(ニュートンばかり)」を使って測る

・場所によって変化する


ちなみに、「1N」は、「地球で、約100g の物体にはたらく重力の大きさ」のことを示しています。

② 重さの例

重さ」は、理科の実験でも使う「ばねばかり(ニュートンばかり)」を使って測ることができます。

1N」は、「地球で、約100gの物体にはたらく重力の大きさ」のことでしたね。


これをふまえて、下の例について考えてみましょう。


【例 : 300gのリンゴの重さ】


リンゴをばねばかりに吊るすことによって、「重さ(リンゴにはたらく重力の大きさ)」を計ることができます。


地球上では、「約100g → 1N」なので、「300g → 3N」となります。


したがって、300g のリンゴの重さ(リンゴにはたらく重力の大きさ)は、「3N」です。


3. 場所による質量と重さの違い

カメ吉

質量」と「重さ」についてはなんとなく分かったけど、まだこの2つの違いがよくわからないや

たつや

まだ、「質量」と「重さ」の違いについては、詳しく説明してなかったね!

たつや

実は、質量と重さの大きな違いは、『場所によってへんかするかしないか』という点にあるんだ!

たつや

分かりやすいように、「地球」と「」の2つの場所で、300gのリンゴの質量と重さがどう変化するか説明するね!

カメ吉

おねがいします!!

① 地球の場合

先ほども例で説明した「300g の リンゴ」について、考えていきましょう。

【地球でのリンゴの質量(g, kg)】

「質量」は、上皿てんびんで測ることができます。


上皿てんびんを使うと、次の図のように、分銅 300g とつり合います。


そのため、地球でのリンゴの質量(物体そのものの量)は「300g」となります。


【地球でのリンゴの重さ(N)】


地球での「1N」は、「約100gの物体にはたらく重力の大きさ」のことです。


そのため、地球での300g のリンゴの重さ(物体にはたらく重力の大きさ)は、「3N」となります。



地球での「質量」と「重さ」についてまとめると、次の図のようになりました。


② 月の場合

続いては、月での「質量」と「重さ」についてです。

月は、地球より重力が弱く、物体にはたらく重力の大きさが「地球の6分の1」になります。


【月でのリンゴの質量(g,kg)】

質量は、上皿てんびんで測ることができます。

月でも、リンゴと分銅の質量(そのものの量)は、変わりません。


そのため、地球と同じように、リンゴは300g の分銅とつり合います。


したがって、月でのリンゴの質量(物体そのものの量)は、地球と同じ「300g」となります。



【月でのリンゴの重さ(N)】

月では、物体にはたらく重力の大きさが「地球上の6分の1」になります。

そのため、地球上で「3N」だったリンゴにはたらく重力の大きさも6分の1になります。


したがって、月でのリンゴの重さ(物体にはたらく重力の大きさ)は、「0.5N」となります。


月での「質量」と「重さ」についてまとめると、次の図のようになりました。



③ 地球と月での違いのまとめ

上の地球と月での「質量」と「重さ」の違いを図にまとめると、次のようになります。


したがって、「質量」と「重さ」の場所での関係は次のようになりました。


「質量」 → 地球や月など、場所によって変化しない

「重さ」 → 地球や月など、場所によって変化する

このように、「質量」と「重さ」には大きな違いがあるので、覚える時の参考にしてください!


4. 【コラム】質量と重さの関係


※ ここからは、高校の範囲になります。中学校の範囲ではないので、興味のある方だけ読んでみてください。


カメ吉

「質量」と「重さ」の違いは分かったけど、この2つは全く無関係なの?

たつや

良い質問だね!実は、「質量」と「重さ」は、1つの式で表せるような関係にあるんだ!

カメ吉

1つの式に表せるってどういうこと?詳しく教えてほしいな!

たつや

わかった! 次は、質量と重さの関係を詳しく説明していくね!


物理の世界では、身近な現象を数学のように、式で表します。

物理では、「重力」を次の式で求めることができます。

W = m × g

W:重力(N)  m:質量(kg)  g:重力加速度(m/s²)




式に出てくる「重力加速度(m/s²)」は、重力によってどれだけ物体が加速するかという数値です。

高校では、「重力加速度(m/s²)」は、「9.8 m/s²」で計算することが多いです。

この式をみると、「重力(W)」は、「質量(m)」と「重力加速度(g)」のかけ算で求めることができるということが分かります。


つまり、「重力」は「質量」と無関係ではなく、「重力」を求めるときには、「質量」の値が関係することが分かりますね!


5. まとめ

今回は、「質量と重さの違い」について解説していきました!

地味で素朴な部分ではありますが、今後、中学・高校と「物理」を勉強するうえで、とても大切な部分になるので、今のうちに理解しておいて損はありません!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

6. 関連記事 一覧

【「力」の単元の記事 一覧 】

 ① 力のはたらき   (←今はここ!)

 ② 力の種類

 ③ 質量と重さの違い

 ④ フックの法則


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