中学校では、いろいろな物質の化学反応を勉強します。酸素(O₂)の化学反応はよく理解できているでしょうか。
この記事では、「酸素の発生方法」「酸素に関係する化学反応」「酸素を含む化合物」などについて解説しています。
それでは早速、「酸素(O₂)」について一緒に学習していきましょう!
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0. 「化学変化」の記事 一覧
「化学変化」の単元に関係する記事の一覧です!
今、学習している内容がどこにあたるか確認しておきましょう!
1. 酸素とは
① 酸素の性質(中1)
まずは、中学1年生で習う「酸素の性質」について復習しておきましょう。
酸素の主な性質は次の通りです。
・無色、無臭の気体
・水に溶けにくい
・空気より少し重い
・ものが燃えるのを助ける性質がある(助燃性)
酸素の性質をより詳しく学習したい人は、下の「酸素の性質」を参考にしてください。
② 酸素の原子・分子
酸素を元素記号で表すと「 O 」です。
酸素は、空気中では「原子(O)」ではなく、「分子(O₂)」の状態で存在します。
③ 酸素の発生方法
酸素の発生方法は、主に次の2つです。
(1)過酸化水素水(オキシドール)の分解
2H₂O₂(過酸化水素) → 2H₂O(水) + O₂(酸素)
うすい過酸化水素水のことを「オキシドール」といいます。
うすい過酸化水素水に二酸化マンガンをくわえることで、過酸化水素(H₂O₂)が分解され、酸素(O₂)が発生します。
(2)水の電気分解
2H₂O(水) → 2H₂(水素) + O₂(酸素)
水(H₂O)に電気を流すと、水素(H₂)と酸素(O₂)に分解されます。
中学の実験でも「電気分解装置」を使って簡単に水を分解することができます。
2. 酸素の化学反応
実験では、様々なところで「酸素」が使われています。
酸素が関係する化学反応を確認してみましょう。
① 化合
実験内容 | 化学反応式 |
水素の燃焼 水の合成 | 2H₂ + O₂ → 2H₂O (水素 + 酸素 → 水) |
炭素の完全燃焼 | C + O₂ → CO₂ (炭素 + 酸素 → 二酸化炭素) |
硫黄の燃焼 | S + O2 → SO2 (硫黄 + 酸素 →二酸化硫黄 ) |
スチルウール(鉄)の燃焼 | 2Fe + O₂ → 2FeO (鉄 + 酸素 → 酸化鉄) |
マグネシウムの燃焼 | 2Mg + O₂ → 2MgO (マグネシウム + 酸素 → 酸化マグネシウム) |
② 分解
実験内容 | 化学反応式 |
酸化銀の分解 | 2Ag₂O → 4Ag + O₂ (酸化銀 → 銀 + 酸素) |
過酸化水素水(オキシドール) の分解 | 2H₂O₂ → 2H₂O + O₂ (過酸化水素 → 水 + 酸素) |
水の電気分解 | 2H₂O → 2H₂ + O₂ (水 → 水素 + 酸素) |
酸素以外の物質の「化学反応式」について知りたい方は下の解説を参考にしてください。
3. 酸素と生物の関係
分野が変わりますが、生物の分野でも「酸素」は生物が生きるうえでとても大切な役割を持っています。
酸素は植物の「光合成」によってつくられ、動物や植物、細菌など生物の「呼吸」によって消費されます。
ヒトにとってもその他の生物にとっても「酸素(O₂)」はなくてはならない物質なのです。
① 光合成と酸素
光合成の化学反応式は以下の通りです。
二酸化炭素(CO₂) + 水(H₂O) → デンプン + 酸素(O₂)
このように、光合成では「二酸化炭素(CO₂)」と「水(H₂O)」を材料に、「デンプン」がつくられます。そして、その反応の過程で「酸素(O₂)」が排出されます。
より詳しく「光合成」について学習したい方は下の解説を参考にしてください。
② 呼吸と酸素
「呼吸」の化学反応式は以下の通りです。
有機物 + 酸素(O₂) → 二酸化炭素(CO₂) + 水(H₂O) + (エネルギー)
このように、呼吸では、有機物と酸素を材料に、エネルギーをつくります。その過程で二酸化炭素と水が排出されます。
これを中学では、「細胞による呼吸(細胞呼吸)」といいます。
より詳しく「呼吸」ついて学びたい人は下の記事を参考にしてください。