物理

熱量・電力量の公式と計算【中学 理科】

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中学校では、 「熱量」や「電力量」について学習しますが、公式や計算方法は理解できていますか?

この記事では、「熱量・電力量とは」「熱量・電力量の公式」「熱量・電力量の計算」などについて解説しています。

それでは早速、「熱量・電力量」について一緒に学習していきましょう!

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0. 「電流の性質」の記事 一覧

「電流の性質」の単元に関係する記事の一覧です!

今、学習している内容がどこにあたるか確認しておきましょう!

【「電流の性質」の記事 一覧 】


1. 【復習】電力とは

電力1秒あたりにどれだけのエネルギーを出すことができるか」という値のこと。


電力の単位は、「W(ワット)」です。


例えば、100Wの電球は、1秒間に100J(ジュール)の光エネルギーを出すことができます。


また、20Wのスピーカーは、1秒間に20J の音エネルギーを出すことができます。


電力は、次の式で求めることができます。


電力[W] = 電圧[V] × 電流[I]

([ ]の中は、単位を表す)



「電力」についてより詳しく知りたい方は、下の解説を参考にしてください!

電力の求め方のアイキャッチ画像
電力の求め方と計算について解説!【中学 理科】 中学校で学習する「電力」の公式や単位、計算方法はよく理解できていますか? この記事では、「電力とは」「電力の公式」「電力の計算」...


2. 熱量

① 熱量とは

熱量発生した熱エネルギーの量のこと。


熱量とは、発生した熱エネルギーの量のことです。


電気機器から発生した熱エネルギーのことを特に、「発熱量」といいます。

熱量の単位には、「J(ジュール)」「Ws(ワット秒)」「cal(カロリー)」などがありますが、

主に使う単位は「J(ジュール)」です。

② 熱量の公式

熱量の公式は、次の通りです。

【 熱量の公式 】

熱量[J] = 電力[W] × 時間[秒]

([ ]の中は、単位をあらわす)



電力[W]に時間[秒]をかけ算することで、「熱量[J]」を計算することができます。

「熱量[J]」は、電力[W]と時間[秒]に比例します。

③ 3つの単位「J」「Ws」「cal」 の関係

実は、熱量には「J(ジュール)」以外にも「Ws(ワット秒)」や「cal(カロリー)」があります。

この3つの単位の関係について、きちんと理解しておきましょう!

まずは、「J(ジュール)」と「Ws(ワット秒)」の関係を確認しましょう。

1 J(ジュール) = 1 Ws(ワット秒)


つまり、「J」と「Ws」は、まったく同じ意味です。


しかし、「熱量」を表すときには、「J(ジュール)」が使われることが多いです。


「Ws(ワット秒)」は、熱量の公式「熱量 = 電力[W] × 秒[s]」の記号に注目して覚えましょう。

次は、「J(ジュール)」や「Ws(ワット秒)」と「cal(カロリー)」の関係についてです。

1 cal = 4.2 J =  4.2 Ws


1cal は、水1gを1℃上昇させる熱量で、「約4.2 J」 のことです。


食料品に含まれるエネルギーを表すために使われる単位でもあります。


3. 熱量の計算

それでは、熱量の例題を2つみてきましょう!


先ほど出てきた公式も出てくるので、ついでに公式の確認もしましょう。

【例題1】
20Wの電熱線があります。この電熱線を水の中にいれ、1分間使った時の発熱量を答えよ。


熱量の公式は次の通りでした。


熱量[J] = 電力[W] × 時間[秒]


この式に、電熱線の熱量「20W」と使った時間「1分=60秒」をいれると


熱量[J]=20[W]×60[秒]=1200[J]


したがって、この電熱線が出す熱量は「1200 J」となります。


【例題2】
図1のように、2Ω電熱線をつないだ回路に、電源電圧10Vの電圧をかけました。この回路に関する次の問題に答えなさい。

(1)この回路に流れる電流の大きさ[A]を求めよ。

(2)この電熱線の消費電力[W]を求めよ。

(3)図2のように、電熱線を水の中にいれ、これまでと同じ条件で20秒間電気を流したときに発生する熱量[J]を求めよ。

まずは(1)を解いていきましょう。

電流の大きさを求める公式は、「オームの法則」から

電流[A] = 電圧[V] ÷ 抵抗[Ω]

この式に、問題文の「10V」と「2Ω」をいれて

電流[A] = 10[V] ÷ 2[Ω] = 5[A]

したがって、この回路に流れる電流の大きさは「5A」です。


次は、(2)についてです。

電力の公式は、

電力[W] = 電圧[V] × 電流[A]

この式に、「10V」と「5A」をいれると

電力[W] = 10[V] × 5[A] = 50W

したがって、この電熱線の電力は「50 W」となります。


次は、(3)についてです。

熱量を求める時に使う公式は、

熱量[J] = 電力[W] × 秒[s] 

でした。この式に(2)で求めた電力「50W」と問題文から「20s」をいれると

熱量[J] = 50[W] × 20[s] = 1000[J]


したがって、この電熱線の発熱量は「1000J」となります。


4. 電力量

① 電力量とは

電力量 … 使った電力の量のこと。

電力量は、使った電力の量のことです。

熱量とは違い、電力量は電気が関係する場合にしか使いません。

電力量の単位には、「Ws(ワット秒)」「J(ジュール)」「Wh「ワット時」」「kWh「キロワット時」」などがありますが、

主に使われる単位は、「Ws(ワット秒)」「Wh(ワット時)」の2つです。

② 電力量の公式

電力量を求めるための公式は、時間の単位に「秒[s]」と「時間[h]」のどちらを使うかによって2つあります。

【電力量の公式】

【 秒[s]を使う場合 】

電力量[Ws] = 電力[W] × 秒[s]

 【 時間[h]を使う場合 】

電力量[Wh] = 電力[W] × 時間[h]

問題によって、どちらの単位で答えるかは違うため、どちらの単位が来ても答えられるようにしましょう!

③ 3つの単位「Ws」「Wh」「kWs」の関係

「Ws(ワット秒)」「Wh(ワット時)」「kWs(キロワット時)」の関係は次の通りです。

①  1Wh = 3600 Ws

②  1 kWh = 1000 Wh

 

まずは、①について説明します。

「Wh(ワット時)」と「Ws(ワット秒)」の関係は、1時間と1秒の関係と同じように考えましょう。

1時間(1h)は、秒になおすと3600秒になります。

したがって、「Wh(ワット時)」は「Ws(ワット秒)」の3600倍になるので

1Wh = 3600 Ws

という関係になります。

 

次は、②について説明していきます。

「kWh(キロワット時)」の「k(キロ)」には、1000倍という意味があります。

そのため、「1 kg = 1000 g」と同じように

1 kWh = 1000 Wh

という関係になります。

5. 電力量の計算

それでは、電力量に関する計算問題を見ていきましょう!

【例題3】

600Wのエアコンを3時間稼働させ続けました。エアコンに関する次の問題に答えなさい。

(1)エアコンで使った電力量[Wh]を求めなさい。

(2)(1)の答えを[kWh(キロワット時)]で表しなさい。

まずは、(1)から解いていきましょう。

電力量の公式(Whの場合)は次の通りでした。

電力量[Wh]=電力[W]×時間[h]

この式に、電力「600W」、時間「3h」をいれると

電力量[Wh]=600[W]×3[h]=1800[Wh]

したがって、エアコンで使った電力量は「1800Wh」となります。

 

続いて、(2)です。

単位の「Wh(ワット時)」と「kWh(キロワット時)」の関係は次の通りでした。

1000 [Wh] = 1 [kWh]

つまり、「Wh」の値を÷1000すると、「kWh」に直すことができます。

よって、「1800 Wh」を÷1000して、「kWh」に直すと

1800[Wh] ÷ 1000 = 1.8[kWh]

したがって、(2)の解答は「1.8 kWh」となります。

6. まとめ

今回は、「熱量・電力量の公式と計算」について解説しました。

最後に、今回のポイントをおさらいしておきましょう!

【今回のポイント】

① 「熱量」とは、「発生した熱エネルギーの量」のこと。

② 熱量の公式は、「熱量[J]=電力[W]×時間[秒]」。

③ 「電力量」とは、「使った電力の量」のこと。

④ 電力量の公式は、次の2種類。
  電力量[Ws] = 電力[W] × 秒[s]
  電力量[Wh] = 電力[W] × 時間[h]

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

7. 関連記事 一覧

【「電流の性質」の記事 一覧 】

POSTED COMMENT

  1. SK より:

    わかりやすい解説ありがとうございます!

    テストに役立たせていただきます!

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