中学校では、 「熱量」や「電力量」について学習しますが、公式や計算方法は理解できていますか?
この記事では、「熱量・電力量とは」「熱量・電力量の公式」「熱量・電力量の計算」などについて解説しています。
それでは早速、「熱量・電力量」について一緒に学習していきましょう!
【はじめに】自己紹介
このサイトは、現役の中学教師である「たつや」が管理・運営しています。
このサイトは、教師である私が「より多くの人に科学の面白さを知ってもらいたい!」「中学生が理科を好きになるようなサイトをつくりたい!」という思いのもと執筆しています。
私の簡単な自己紹介はこちらです!
現役の中学校教師 理科教育歴 5年 理科の中でも「生物」が大好き! サイト運営 2021年7月~ 座右の銘は「不言実行」 |
まだまだ発展途上のサイトで、至らない点も多くあるかと思いますが、これからも「かめのこブログ」をよろしくお願いいたします(^○^)
私の詳しいプロフィールはこちらから!
0. 「電流の性質」の記事 一覧
「電流の性質」の単元に関係する記事の一覧です!
今、学習している内容がどこにあたるか確認しておきましょう!
1. 【復習】電力とは
● 電力 … 1秒あたりにどれだけのエネルギーを出すことができるか」という値のこと。
電力の単位は、「W(ワット)」です。
例えば、100Wの電球は、1秒間に100J(ジュール)の光エネルギーを出すことができます。
また、20Wのスピーカーは、1秒間に20J の音エネルギーを出すことができます。
電力は、次の式で求めることができます。
電力[W] = 電圧[V] × 電流[I]
([ ]の中は、単位を表す)
「電力」についてより詳しく知りたい方は、下の解説を参考にしてください!
2. 熱量
① 熱量とは
● 熱量 … 発生した熱エネルギーの量のこと。
熱量とは、発生した熱エネルギーの量のことです。
電気機器から発生した熱エネルギーのことを特に、「発熱量」といいます。
熱量の単位には、「J(ジュール)」「Ws(ワット秒)」「cal(カロリー)」などがありますが、
主に使う単位は「J(ジュール)」です。
② 熱量の公式
熱量の公式は、次の通りです。
熱量[J] = 電力[W] × 時間[秒]
([ ]の中は、単位をあらわす)
電力[W]に時間[秒]をかけ算することで、「熱量[J]」を計算することができます。
「熱量[J]」は、電力[W]と時間[秒]に比例します。
③ 3つの単位「J」「Ws」「cal」 の関係
実は、熱量には「J(ジュール)」以外にも「Ws(ワット秒)」や「cal(カロリー)」があります。
この3つの単位の関係について、きちんと理解しておきましょう!
まずは、「J(ジュール)」と「Ws(ワット秒)」の関係を確認しましょう。
1 J(ジュール) = 1 Ws(ワット秒)
つまり、「J」と「Ws」は、まったく同じ意味です。
しかし、「熱量」を表すときには、「J(ジュール)」が使われることが多いです。
「Ws(ワット秒)」は、熱量の公式「熱量 = 電力[W] × 秒[s]」の記号に注目して覚えましょう。
次は、「J(ジュール)」や「Ws(ワット秒)」と「cal(カロリー)」の関係についてです。
1 cal = 4.2 J = 4.2 Ws
1cal は、水1gを1℃上昇させる熱量で、「約4.2 J」 のことです。
食料品に含まれるエネルギーを表すために使われる単位でもあります。
3. 熱量の計算
それでは、熱量の例題を2つみてきましょう!
先ほど出てきた公式も出てくるので、ついでに公式の確認もしましょう。
熱量の公式は次の通りでした。
熱量[J] = 電力[W] × 時間[秒]
この式に、電熱線の熱量「20W」と使った時間「1分=60秒」をいれると
熱量[J]=20[W]×60[秒]=1200[J]
したがって、この電熱線が出す熱量は「1200 J」となります。
(1)この回路に流れる電流の大きさ[A]を求めよ。
(2)この電熱線の消費電力[W]を求めよ。
(3)図2のように、電熱線を水の中にいれ、これまでと同じ条件で20秒間電気を流したときに発生する熱量[J]を求めよ。
まずは(1)を解いていきましょう。
電流の大きさを求める公式は、「オームの法則」から
電流[A] = 電圧[V] ÷ 抵抗[Ω]
この式に、問題文の「10V」と「2Ω」をいれて
電流[A] = 10[V] ÷ 2[Ω] = 5[A]
したがって、この回路に流れる電流の大きさは「5A」です。
次は、(2)についてです。
電力の公式は、
電力[W] = 電圧[V] × 電流[A]
この式に、「10V」と「5A」をいれると
電力[W] = 10[V] × 5[A] = 50W
したがって、この電熱線の電力は「50 W」となります。
次は、(3)についてです。
熱量を求める時に使う公式は、
熱量[J] = 電力[W] × 秒[s]
でした。この式に(2)で求めた電力「50W」と問題文から「20s」をいれると
熱量[J] = 50[W] × 20[s] = 1000[J]
したがって、この電熱線の発熱量は「1000J」となります。
4. 電力量
① 電力量とは
● 電力量 … 使った電力の量のこと。
電力量は、使った電力の量のことです。
熱量とは違い、電力量は電気が関係する場合にしか使いません。
電力量の単位には、「Ws(ワット秒)」「J(ジュール)」「Wh「ワット時」」「kWh「キロワット時」」などがありますが、
主に使われる単位は、「Ws(ワット秒)」「Wh(ワット時)」の2つです。
② 電力量の公式
電力量を求めるための公式は、時間の単位に「秒[s]」と「時間[h]」のどちらを使うかによって2つあります。
【 秒[s]を使う場合 】
電力量[Ws] = 電力[W] × 秒[s]
【 時間[h]を使う場合 】
電力量[Wh] = 電力[W] × 時間[h]
問題によって、どちらの単位で答えるかは違うため、どちらの単位が来ても答えられるようにしましょう!
③ 3つの単位「Ws」「Wh」「kWs」の関係
「Ws(ワット秒)」「Wh(ワット時)」「kWs(キロワット時)」の関係は次の通りです。
① 1Wh = 3600 Ws
② 1 kWh = 1000 Wh
まずは、①について説明します。
「Wh(ワット時)」と「Ws(ワット秒)」の関係は、1時間と1秒の関係と同じように考えましょう。
1時間(1h)は、秒になおすと3600秒になります。
したがって、「Wh(ワット時)」は「Ws(ワット秒)」の3600倍になるので
1Wh = 3600 Ws
という関係になります。
次は、②について説明していきます。
「kWh(キロワット時)」の「k(キロ)」には、1000倍という意味があります。
そのため、「1 kg = 1000 g」と同じように
1 kWh = 1000 Wh
という関係になります。
5. 電力量の計算
それでは、電力量に関する計算問題を見ていきましょう!
600Wのエアコンを3時間稼働させ続けました。エアコンに関する次の問題に答えなさい。
(1)エアコンで使った電力量[Wh]を求めなさい。
(2)(1)の答えを[kWh(キロワット時)]で表しなさい。
まずは、(1)から解いていきましょう。
電力量の公式(Whの場合)は次の通りでした。
電力量[Wh]=電力[W]×時間[h]
この式に、電力「600W」、時間「3h」をいれると
電力量[Wh]=600[W]×3[h]=1800[Wh]
したがって、エアコンで使った電力量は「1800Wh」となります。
続いて、(2)です。
単位の「Wh(ワット時)」と「kWh(キロワット時)」の関係は次の通りでした。
1000 [Wh] = 1 [kWh]
つまり、「Wh」の値を÷1000すると、「kWh」に直すことができます。
よって、「1800 Wh」を÷1000して、「kWh」に直すと
1800[Wh] ÷ 1000 = 1.8[kWh]
したがって、(2)の解答は「1.8 kWh」となります。
6. まとめ
今回は、「熱量・電力量の公式と計算」について解説しました。
最後に、今回のポイントをおさらいしておきましょう!
① 「熱量」とは、「発生した熱エネルギーの量」のこと。
② 熱量の公式は、「熱量[J]=電力[W]×時間[秒]」。
③ 「電力量」とは、「使った電力の量」のこと。
④ 電力量の公式は、次の2種類。
電力量[Ws] = 電力[W] × 秒[s]
電力量[Wh] = 電力[W] × 時間[h]
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
わかりやすい解説ありがとうございます!
テストに役立たせていただきます!
読んでいただきありがとうございます。テスト頑張ってください(^^)