化学

気体の集め方(水上置換法・下方置換法・上方置換法)について解説!【中学理科】

中学校では、「水上置換法」「下方置換法」「上方置換法」について学習しますが、3つの方法をどのように使い分けるかは知っていますか?

この記事では、「水上置換法」「下方置換法」「上方置換法」の方法や使い分けをわかりやすく解説しています。

それでは早速、「気体の集め方」について学習していきましょう!

【はじめに】自己紹介

このサイトは、現役の中学教師である「たつや」が管理・運営しています。


このサイトは、教師である私が「より多くの人に科学の面白さを知ってもらいたい!」「中学生が理科を好きになるようなサイトをつくりたい!」という思いのもと執筆しています。

私の簡単な自己紹介はこちらです!

現役の中学校教師
理科教育歴 5年
理科の中でも「生物」が大好き!
サイト運営 2021年7月~
座右の銘は「不言実行」

まだまだ発展途上のサイトで、至らない点も多くあるかと思いますが、これからも「かめのこブログ」をよろしくお願いいたします(^○^)

私の詳しいプロフィールはこちらから!

0. 「気体の性質」の記事 一覧

「気体の性質」の単元に関係する記事の一覧です!

今、学習している内容がどこにあたるか確認しておきましょう!

【「気体の性質」の記事 一覧 】

 ① 気体の性質   

 ② 気体の集め方   (←今はここ!)

 ③ 酸素の性質

 ④ 二酸化炭素の性質

 ⑤ 水素の性質


1. 気体の集め方の種類

中学校で習う気体の集め方には、「水上置換法」「下方置換法」「上方置換法」の3種類があります。

まずは、この3種類の集め方の特徴について学習していきましょう!

カメ吉

なんで3種類も方法があるの??


素朴な疑問だね。でも、一番大切なところでもあるので説明しておきます。


答えは、ズバリ、「気体」にも色々な性質のものがあるからです。



「気体」にも色々な種類があって、そのひとつひとつが違った性質を持っています。そのため、なんの気体を集めるかによって、その気体にあった方法を選ばなければいけません。

それでは、3つの気体の集め方の特徴をまずは学習しましょう。

① 水上置換法(すいじょうちかんほう)

1つ目は、「水上置換法(すいじょうちかんほう)」です。

「水上置換法」が3つの方法の中で、1番よけいな気体が入りにくい方法なので、まずは「水上置換法」で集めたい気体を集められないか考えましょう。

この方法では、下の図のように、発生させた気体を水中で集めます。

この方法で集められる気体の特徴は「水にとけにくいこと」です。

水にとけにくい気体であれば、この方法で集められます。

② 下方置換法(かほうちかんほう)

2つ目は、「下方置換法(かほうちかんほう)」です。

この方法では、容器の口を上に向けて、容器の下のほうに気体を集めます。


この方法で集められる気体の特徴は「空気より重いこと」です。

③ 上方置換法(じょうほうちかんほう)

3つ目は、「上方置換法(じょうほうちかんほう)」です。

この方法では、容器の口を下に向けて、容器の下のほうに気体を集めます。

この方法で集められる気体の特徴は「空気より軽いこと」です。


2. 気体の集め方の決め方

① 決め方のポイント

気体の集め方でポイントは次の2つです。

決め方のポイント

気体の水へのとけやすさ

気体の空気と比べたときの重さ



集めたい気体のこの2つの性質によって、気体の集め方が変わるので注意が必要です。

② 決め方の手順

その1 まずは「水へのとけやすさ」に注目するべし!


まずは、その気体が水にとけるかとけないかに注目しましょう。

水にとけにくい」または「少しとける」 → 「水上置換法」で集めます。


水によくとける」 → 「下方置換法」または「上方置換法」で集めます。



例えば、「酸素(さんそ)」や「水素(すいそ)」は水にとけにくい気体なので、「水上置換法」で集めます。

カメ吉

なんで、初めに「水へのとけやすさ」に注目するの?


それは、「水上置換法」が一番効率の良い気体の集め方だからです。

「水上置換法」は集めるときに、他の気体が入りません。そのため、まずは「水上置換法」で集められないかを考えるために、「水へのとけやすさ」に注目します。


その2 次は「空気と比べたときの重さ」に注目すべし!!


「水へのとけやすさ」の次は「空気と比べたときの重さ」に注目します。

水にとけやすい気体は「水上置換法」では集められないため、「空気と比べたときの重さ」で「下方置換法」か「上方置換法」かを決めます。

水にとけやすく、空気より重い」 → 「下方置換法」で集めます。

水にとけやすく、空気より軽い」 → 「上方置換法」で集めます。




例えば、「アンモニア」は、水にとけやすく、空気より軽い気体なので、「上方置換法」で集めます。

まとめ

気体の集め方の決め方をまとめると下の図のようになります。


3. 物質の性質と気体の集め方

最後に代表的な気体の性質とその気体の集め方を一覧にしてまとめました。

赤字はとても大切な部分青字はその次に大切な部分です。この機会に覚えておきましょう。

酸素水素二酸化炭素アンモニア
水への
とけやすさ
とけにくいとけにくい少しとけるとける
空気と比べた
重さ
少し重い非常に軽い重い軽い
集め方水上置換法水上置換法水上置換法
または
下方置換法
上方置換法
発生方法過酸化水素水
(オキシドール)

二酸化マンガン
金属
(金・銀・銅以外)

塩酸
石灰石

塩酸
塩化アンモニウム

水酸化カルシウム
その他の
性質
・ものが燃えるのを 
助ける(助燃性)

・酸素自体は燃えない     
・水素自体が燃える
・ものは燃やさない
・石灰水を白くにごらせる      
・水溶液は酸性      
・水溶液はアルカリ性
・刺激臭      
・有毒       
用途(ようと)医療用の酸素
溶接
燃料電池
ロケットやバスの燃料
炭酸水
ドライアイス
医薬品(虫刺され)
肥料



気体ごとの性質や集め方をより詳しく知りたい人は下の解説も読んでみてください。

気体の性質についてわかりやすく解説!【中学理科】 中学1年生では、様々な気体の性質について学習しますが、その性質を覚えていますでしょうか? この記事では、酸素、水素、二酸化炭素、...


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

4. 関連記事 一覧

【「気体の性質」の記事 一覧 】

 ① 気体の性質

 ② 気体の集め方   (←今はここ!)

 ③ 酸素の性質

 ④ 二酸化炭素の性質

 ⑤ 水素の性質

【その他 】

POSTED COMMENT

  1. キャサリン より:

    2.気体の集め方の種類 ②下方置換法
    の図が、水上置換法になってますよ。

キャサリン へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA