1. コケ植物とは
「コケ植物」とは、種子をつくらない植物の分類の1つです。
コケ植物には、次の3つの特徴があります。
・葉、茎、根の区別がない
・維管束がない
・種子をつくらず、胞子でふえる
コケは他の植物とは違う特徴を多く持っています。
コケ植物の特徴についてはあとで詳しく説明します!
その前にまずは、コケ植物にどのようなものがいるかみていきましょう!
2. コケ植物の例
コケ植物にも色々な種類がいます。
今回は、代表的なコケ植物である「ゼニゴケ」「スギゴケ」について紹介したいと思います!
コケをあまりよく見たことがない人もいると思いますが、よく見るとそれぞれ形が違って面白いですよ(^○^)
① ゼニゴケ
「ゼニゴケ」は日本では北海道から九州まで広い地域でみられます。
学校の校庭にもよく生えているので、学校の実験でもよく使われます。
ゼニゴケの雄株(おかぶ)、雌株(めかぶ)のつくりは次のとおりです。
雄株(おかぶ) | 雌株(めかぶ) |
② スギゴケ
次に紹介するのは「スギゴケ」です。
スギゴケは、その名の通りスギの葉に形が似ているコケ植物です。
スギゴケは鮮やかな緑色をしているので、日本庭園にも使われます。
スギゴケの雄株(おかぶ)、雌株(めかぶ)のつくりは次のとおりです。
雄株(おかぶ) | 雌株(めかぶ) |
雌株には、胞子がはいった「胞子のう」があります。
3. コケ植物の特徴
コケ植物には、次の3つの特徴があります。
① 葉・茎・根の区別がない
② 維管束がない
③ 種子をつくらず、胞子でふえる
どれも大切な特徴なので、ひとつずつ詳しくみていきましょう!
① 葉・茎・根の区別がない
コケ植物の1つめの特徴は「葉・茎・根の区別がない」ことです。
つまり、コケ植物は葉・茎・根を持っていません。
コケ植物はこれらのつくりを持っていない代わりに次の2つの特徴を持っています。
・「仮根(かこん)」をもっている。
・からだ全体から水を吸収する。
コケ植物は「根」を持っていません。その代わりに「仮根」を持っています。
ゼニゴケ、スギゴケの仮根をもう一度確認しておきましょう。
ゼニゴケ | スギゴケ |
仮根は、根のように水を吸収しません。
仮根は、地面や岩にくっつくという役割があります。
また、コケ植物は根で水分を吸収する代わりに、からだ全体から水を吸収することができます。
② 維管束(いかんそく)がない
コケ植物の2つ目の特徴は「維管束(いかんそく)がない」ことです。
維管束ってなんだっけ?
「維管束(いかんそく)」とは、水や養分を全身におくるための管です。
下の画像は双子葉類と単子葉類の維管束を表したものです。
赤い部分が維管束で、水や養分の通り道となります。
コケ植物にはこのような管がないという特徴があります。
③ 種子をつくらず、胞子でふえる
コケ植物の3つ目の特徴は「種子をつくらず、胞子でふえる」ことです。
そもそも「胞子(ほうし)」ってなに?
中学校の理科ではあまり詳しくは出題されないので、簡単に説明します。
胞子とは、簡単にいうと新しい子どもの細胞そのものです。
胞子種子のようにかたいカラに包まれていないので、乾燥に弱いという特徴があります。
コケ植物は、種子の代わりに「胞子」をつくり飛ばすことで仲間を増やします。
胞子は雌株(めかぶ)の「胞子のう」のなかにはいっています。
4. 生物の分類
今回紹介した「コケ植物」以外にも生物は色々な分類の方法があります。
たとえば、「植物」や「動物」も生物の分類の1つです。
中学校では、植物や動物の分類について詳しく習うので、この機会に少しだけ復習しておきましょう!
① 植物の分類
植物には大きく分けて、「種子をつくる植物」と「種子をつくらない植物」の2種類がいます。
植物には種子をつくる「あ被子植物(ひししょくぶつ)」「裸子植物(らししょくぶつ)」がいます。
また、種子をつくらない植物には「シダ植物」「コケ植物」がいます。
② 動物の分類
動物には、「セキツイ動物」と「無セキツイ動物」の2種類がいます。
セキツイ動物とは、背骨をもつ動物のことです。
セキツイ動物には「魚類」「両生類」「ハチュウ類」「鳥類」「ホニュウ類」がいます。
一方で、無セキツイ動物とは、背骨を持たない動物のことです。
例えば、カブトムシ、ムカデ、タコ、イカなどは無セキツイ動物です。
無セキツイ動物には、「節足動物(せっそくどうぶつ)」「軟体動物(なんたいどうぶつ)」などのさらに細かい分類もあります。
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