化学

プラスチックの種類と性質をわかりやすく解説!【中学 理科】

中学校の理科では、「プラスチックの種類と性質」について学習しますね。

この記事では、「プラスチックとは」「プラスチックの性質」「プラスチックの種類」などについてわかりやすく解説しています。

それでは早速、「プラスチックの種類と性質」について一緒に学習していきましょう!

【はじめに】自己紹介

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理科教育歴 5年
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サイト運営 2021年7月~
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0. 「いろいろな物質」の記事 一覧

「いろいろな物質」の単元に関係する記事の一覧です!

今、学習している内容がどこにあたるか確認しておきましょう!

【「いろいろな物質」の記事 一覧 】

 ① 物体・物質の違い   

 ② 金属と非金属

 ③ プラスチックの種類と性質   (←今はここ!)

 ④ 有機物・無機物の違い


1. プラスチックとは?

① プラスチックの原料

プラスチックの原料は、「石油」です。


プラスチックは、「石油」からできる「ナフサ」という物質を加工することで作られます。

② プラスチックは有機物

また、プラスチックは、「有機物」に分類されます。


有機物とは、「炭素(C)」や「水素(H)」を含む物質のことです。


プラスチックは有機物のため、燃やすと「二酸化炭素(CO₂)」と「水(H₂O)」が発生します。


有機物についてより詳しく学習した方は、下の解説も参考にしてください。

有機物・無機物の違いと見分け方をわかりやすく解説!【中学 理科】 中学校では、「有機物」と「無機物」について学習しますが、その違いを説明できるでしょうか? この記事では、「有機物と無機物の違い」...

③ プラスチックの性質

プラスチックは、とても使い勝手の良い物質で、色々なものに使われています。


使い勝手が良いのは、下のような性質を持っているためです。

【プラスチックの性質】

・金属やガラスなどより軽い

・加工しやすい

・値段が安い

・金属に比べて水や薬品に強い

・電気を通さない

・サビない

上の性質をまとめると、プラスチックという素材は「安く簡単に作れて、軽いものができる」という特徴があります。


これだけ聞くと、とても優れた万能な素材のように聞こえますが、プラスチックには下のような弱点もあります。

【プラスチックの弱点】

・他の素材(金属やガラスなど)より熱に弱い

・他の素材より破れやすい

・紫外線に弱く、外ではもろくなりやすい


2. プラスチックの種類

プラスチックには、たくさんの種類がありますが、中学生で覚えてほしいのは下の6種類です。

まずは一覧表でそれぞれのプラスチックの性質を確認しましょう。

※ スマホの人は、画面を横にしてみてください。

 ポリエチレン ポリエチレンテレフタラート ポリプロピレンポリスチレンポリ塩化ビニルアクリル樹脂
英語polyethylenepolyethylene terephthalatepolypropylenepolystyrenepolyvinyl chloridepolymethyl methacrylate
略称PEPETPPPSPVCPMMA
用途レジ袋、ラップ、バケツペットボトル、卵の容器、写真フィルムペットボトルのふた、ストロー、医療機器CDケース、食品容器、トレイ消しゴム、水道管、ホース水槽、定規、メガネのレンズ、塗料
特徴油や薬品に強い。安価で加工しやすい。透明で圧力に強い。薬品に強い。熱に強い。強度に優れている。断熱保温性。透明でかたい。着色が簡単。薬品に強い。光沢、ツヤがある。割れにくい。衝撃に強い。
密度
(g/cm³)
0.92~0.971.38~1.400.90~0.911.05~1.071.2~1.61.18
水に浮く?YESNOYESNONONO
耐熱性能70~110℃85~200℃100~140℃70~90℃60~80℃60~80℃
燃えやすい?YESYESYESYESNONO


【復習】密度とは?(水に浮くかと密度の関係)

密度とは、「1cm³あたりの質量(g)」のことで、「物質の中がどれだけ詰まっているか」を表します。


水に物質が浮くかどうかを調べるときには、水とその物質の密度を比べ、水より密度が小さい物質は水に浮き、水より密度が大きい物質は水に沈みます。

水の密度は「約1.00 g/cm³」です。そのため、下のように判断することができます。

(密度が)1.00 g/cm³より小さい → 水に浮く
(密度が)1.00 g/cm³より
大きい → 水に沈む

① ポリエチレン(PE)


ポリエチレンは、英語で「polethylene」と書き、略して「PE」と書きます。


ポリエチレンは、レジ袋、ラップ、バケツなどに使われており、「油や薬品に強い」「安価で加工しやすい」などの特徴があります。


また、密度が 「0.92 ~ 0.97 g/cm³」と 1.00 g/cm³より小さいため、水に浮きます。

名前 ポリエチレン
英語 polethylene
略称 PE
用途 レジ袋、ラップ、バケツ
特徴 油や薬品に強い。
 安価で加工しやすい。
密度(g/cm³) 0.92 ~ 0.97
水に浮く? YES
耐熱温度 70 ~ 110℃
燃えやすい? YES

② ポリエチレンテレフタラート(PET)


ポリエチレンテレフタラートは、英語で「polyethylene terephthalate」と書き、略して「PET」と書きます。


ポリエチレンテレフタラートは、ペットボトル、卵の容器、写真フィルムなどに使われており、「透明で圧力に強い」「薬品に強い」などの特徴があります。


また、密度が 「1.38 ~ 1.40 g/cm³」と 1.00 g/cm³より大きいため、水には浮きません。

名前 ポリエチレンテレフタラート
英語 polyethylene terephthalate
略称 PET
用途 ペットボトル、卵の容器、写真フィルム
特徴 透明で圧力に強い。
 薬品に強い。
密度(g/cm³) 1.38 ~ 1.40
水に浮く? NO
耐熱温度 85 ~ 200℃
燃えやすい? YES

③ ポリプロピレン(PP)


ポリプロピレンは、英語で「polypropylene」と書き、略して「PP」と書きます。


ポリプロピレンは、ペットボトルのふた、ストロー、医療機器などに使われており、「熱に強い」「強度に優れている」などの特徴があります。


また、密度が 「0.90 ~ 0.91 g/cm³」と 1.00 g/cm³より小さいため、水に浮きます。

名前 ポリプロピレン
英語 polypropylene
略称 PP
用途 ペットボトルのふた、ストロー、医療機器
特徴 熱に強い。
 強度に優れている。
密度(g/cm³) 0.90 ~ 0.91
水に浮く? YES
耐熱温度 100 ~ 140℃
燃えやすい? YES

④ ポリスチレン(PS)

ポリスチレンは、英語で「polystyrene」と書き、略して「PS」と書きます。


ポリスチレンは、CDケース、食品容器、トレイなどに使われており、「断熱保温性が高い」「透明でかたい」「着色が簡単」などの特徴があります。


「発泡スチロール」もポリスチレンの1種です。


また、密度が 「1.05~1.07 g/cm³」と 1.00 g/cm³より大きいため、水には浮きません。

名前 ポリスチレン
英語 polystyrene
略称 PS
用途 CDケース、食品容器、トレイ
特徴 断熱保温性が高い。透明でかたい。着色が簡単。
密度(g/cm³) 1.05~1.07
水に浮く? NO
耐熱性能 70~90℃
燃えやすい? YES

⑤ ポリ塩化ビニル(PVC)

ポリ塩化ビニルは、英語で「polyvinyl chloride」と書き、略して「PVC」と書きます。


ポリ塩化ビニルは、消しゴム、水道管、ホースなどに使われており、「薬品に強い」「光沢、ツヤがある」などの特徴があります。


また、密度が 「1.2~1.6 g/cm³」と 1.00 g/cm³より大きいため、水には浮きません。

名前 ポリ塩化ビニル
英語 polyvinyl chloride
略称 PVC
用途 消しゴム、水道管、ホース
特徴 薬品に強い。光沢、ツヤがある。
密度(g/cm³) 1.2~1.6
水に浮く? NO
耐熱性能 60~80℃
燃えやすい? NO

⑥ アクリル樹脂(PMMA)


アクリル樹脂は、英語で「polymethyl methacrylate」と書き、略して「PMMA」と書きます。

アクリル樹脂は、水槽、定規、メガネのレンズ、塗料などに使われており、「割れにくい」「衝撃に強い」などの特徴があります。

また、密度が 「1.18 g/cm³」と 1.00 g/cm³より大きいため、水には浮きません。

名前 アクリル樹脂
英語 polymethyl methacrylate
略称 PMMA
用途 水槽、定規、メガネのレンズ、塗料
特徴 割れにくい。衝撃に強い。
密度(g/cm³) 1.18
水に浮く? NO
耐熱性能 60 ~ 80℃
燃えやすい? NO


3. まとめ

今回は、「プラスチックの種類と性質」について解説しました。

プラスチックの種類は、入試でもあまり多くは出題されませんが、プラスチックの性質を利用した「密度の問題」や「化学反応」の問題はよく出題されます。

この機会に、プラスチックの性質をバッチリ覚えておきましょう!

最後まで、読んでいただきありがとうございました!!

4. 関連記事 一覧

【「いろいろな物質」の記事 一覧 】

 ① 物体・物質の違い   

 ② 金属と非金属

 ③ プラスチックの種類と性質   (←今はここ!)

 ④ 有機物・無機物の違い

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