中学校では「ベネジクト液の色の変化」を学習しますが、よく理解できていますか?
この記事では、「ベネジクト液とは」「ベネジクト液の色の変化」「その他の指示薬」などについてわかりやすく解説しています。
それでは早速、「ベネジクト液」について一緒に学習していきましょう!
1. ベネジクト液とは
「ベネジクト液」とは、液体に糖(還元糖)が含まれているかを調べる指示薬です。
ベネジクト液は「ベネディクト液」、「ベネジクト溶液」、「ベネジクト試薬」と呼ばれることもあります。
ベネジクト液は透き通った青色をしたアルカリ性の液体です。
ベネジクト液は、無水炭酸ナトリウム・クエン酸三ナトリウム・硫酸銅(Ⅱ)などを使ってつくられます。
ベネジクト液に似た性質をもつ指示薬には、「フェーリング液」というものもあります。(中学校では習いません)
2. ベネジクト液の色の変化
ベネジクト液は、元々透き通った青色をしています。
しかし、ベネジクト液を糖(還元糖)を含む液体に加えて加熱すると、青色から赤褐色に変化します。
ちなみに、ベネジクト液が赤褐色になる理由は、糖(還元糖)と反応して、「酸化銅(Ⅰ)」の沈殿ができるためです。
ベネジクト液の色の変化のポイントは次の2つです。
・ 糖(還元糖)と反応するときに加熱する必要がある。
・糖(還元糖)と反応すると青色→赤褐色になる。
3. ベネジクト液と反応する糖の種類
ベネジクト液ってどんな糖でも反応するのかな?
実は、糖にも色々な種類があって、ベネジクト液と反応するものは決まっているよ!
糖に種類があるの?
そうなんだ!身近なところだとラムネの原料の「ブドウ糖」、果物に含まれる「果糖」などがあるよ!
そして、ベネジクト液と反応するのは「還元糖」というグループの糖だけなんだ!
糖類には、「ブドウ糖」「果糖(かとう)」「ショ糖」「乳糖(にゅうとう)」「麦芽糖(ばくがとう)」などいろいろな種類があります。
その中で、ベネジクト液と反応することができるのは「還元糖(かんげんとう)」というグループの糖だけです。
還元糖には、「ブドウ糖」「果糖(かとう)」「乳糖(にゅうとう)」「麦芽糖(ばくがとう)」などがあります。
ちなみにこの4種類の還元糖が含まれる食材には次のものがあります。
- ブドウ糖 → 米、パン、イモ類、果物、はちみつ、ラムネ
- 果糖 → 果物
- 乳糖 → 牛乳、ヨーグルト、チーズ
- 麦芽糖 → 水あめ、はちみつ、精米、麺類、さつまいも
一方で、砂糖の主成分である「ショ糖」は還元糖ではないので、ベネジクト液とは反応しません。
4. その他の指示薬
物質の性質を調べるための薬品を「指示薬(しじやく)」といいます。
中学校の理科では、色々な指示薬を使うので、どのようなものがあるのか確認して行きましょう!
① 酸性・中性・アルカリ性を調べるもの
酸性・中性・アルカリ性を調べるための指示薬には次の5種類があります。
(1) リトマス紙
(2) BTB溶液
(3) フェノールフタレイン溶液
(4) ムラサキキャベツ液
(5) pH試験紙(万能試験紙)
それぞれの指示薬の色の変化は次の通りです。
中でも、「リトマス紙」「BTB溶液」「フェノールフタレイン溶液」はとても大切なので覚えるようにしましょう!
② その他の指示薬
その他の指示薬には次の6種類があります。
どれも使い道が違うので、簡単に復習しておきましょう!
(1) 石灰水
二酸化炭素と反応し、白くにごる液体。
(2) ヨウ素液
デンプンと反応して青紫色になる。
(3) ベネジクト液
加熱すると糖と反応して、赤褐色になる。
(4) 塩化コバルト紙
水と反応して青色から赤色にかわる。
(5) 酢酸カーミン溶液・酢酸オルセイン溶液
細胞の核や染色体を赤色に染める。
(6) 酢酸ダーリア溶液
細胞の核や染色体を青紫色に染める。