地学

太陽系の惑星についてわかりやすく解説!【中学 理科】

中学校では、「太陽系の惑星」について学習しますが、惑星の数や特徴を説明できるでしょうか?

この記事では、「太陽系とは」「太陽系の天体の種類」「太陽系の惑星の種類と特徴」などについて解説しています。

それでは早速、「太陽系の惑星」について一緒に学習していきましょう!

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0. 「太陽系と恒星」の記事 一覧

中学3年生の「太陽系と恒星」の単元に関係する記事の一覧です!

今、学習している内容がどこにあたるか確認しておきましょう!

【「太陽系と恒星」の記事 一覧 】

1. 太陽系とは

太陽系 … 太陽を中心とした天体の集まりのことです。

太陽系は、「銀河系(天の川銀河)」という銀河にあります。銀河系には、2000~4000億個の恒星があり、その中の1つである「太陽」のまわりに集まる天体の集団を「太陽系」といいます。


太陽系の天体は、太陽の重力の影響を受けてその周囲をまわっており、性質の違ういろいろな星が存在しています。

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「銀河」や「銀河系(天の川銀河)」についてもっと詳しく知りたい人は下の解説も参考にしてみてください。

銀河と銀河系の違いについてわかりやすく解説!【中学 理科】 中学校では、「銀河」と「銀河系」という2つの言葉について学習しますが、その違いを説明できるでしょうか? この記事では、「銀河と銀...

2. 太陽系の天体の種類

宇宙にある物体のことを「天体」といいます。

太陽系には、様々な種類の天体があり、それぞれ特徴があります。初めに、天体の種類について学習しておきましょう!

① 恒星(こうせい)・惑星(わくせい)・衛星(えいせい)

太陽系の代表てきな天体に「恒星」「惑星」「衛星」があります。

恒星(こうせい) … 自ら光を発し、輝く天体のこと。太陽系では太陽のみ。

惑星(わくせい)恒星のまわりを公転する天体のこと。地球は太陽の惑星。

衛星(えいせい) … 惑星のまわりを公転する天体のこと。月は地球の衛星。


この3種類の天体を図で示すと次のようになります。

天体の種類と公転している場所

② 小惑星(しょうわくせい)

小惑星 … 惑星のように、太陽のまわりを公転している小さな天体のこと。

太陽のまわりを公転している惑星より小さい天体は「小惑星」といいます。有名な小惑星には「ケレス」などがあります。

③ 太陽系外縁天体(たいようけいがいえんてんたい)

太陽系外縁天体 … 海王星よりも外側の軌道を公転する天体の総称。

海王星は、太陽系で太陽から最も遠いところにある惑星です。この海王星より外側を公転している天体を「太陽系外縁天体」といいます。

④ 彗星(すいせい)

彗星 … 氷やちりからできており、太陽に近づくと表面が蒸発し、「」ができる。
     ※「水星」とは違う天体であることに注意。

彗星の代表的なものには、「ハレー彗星」があります。

より詳しく「太陽系の天体」について勉強したい人はこちらの記事もみてみてください!

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3. 太陽系の惑星

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太陽系には、「水星」「金星」「地球」「火星」「木星」「土星」「天王星」「海王星」の8種類の惑星があります。

惑星の並び順は、太陽に近いほうから「水星」「金星」「地球」「火星」「木星」「土星」「天王星」「海王星」で、頭の文字をとって「水金地火木土天海(すいきんちかもくどってんかい)」と覚えましょう。

これらの天体が「惑星(まどわす星)」と呼ばれてい理由は、「地球から空を見上げて惑星を観測すると、同じ場所にとどまらず、不規則な動きをするようにみえたから。」だといわれています。


それでは、それぞれの惑星の特徴について勉強していきましょう!特に大切な部分には黄色の下線。次に大切な部分には水色の下線を引いてあります。


また、中学で習う内容ではありませんが、惑星のことをより詳しく知りたい人は【豆知識】も合わせてご覧ください!

① 水星(すいせい)

(提供:NASA)

・太陽の最も近くを公転する惑星。

・太陽系の惑星の中で最も小さい(地球の約5分の2の大きさ)。

・地球より内側を公転しているため、地球からの観測では、日の出または日の入りの直後にしか見えない。


・大気はほとんどない。薄い大気の主成分は「水素」と「ヘリウム」。

・たくさんのクレーター(衝突跡)がある。

内惑星であり、地球型惑星である。

【豆知識】
・公転周期は約88日。自転周期は58日と16時間。
・質量は、約330,000,000,000,000,000,000,000kgで、地球の約0.05倍の質量。
・太陽からの平均距離は5791万km。公転の軌道はだ円形で、太陽と一番近い時(近日点)での距離は4600万km、最も遠い時(遠日点)の距離は7000万kmにもなる。 
・水星の1日は地球の176日で、昼が88日、夜が88日である。
・衛星はない。
・水星の表面の平均温度は、179℃。太陽から近く、大気も薄いため、昼と夜の温度変化が激しく、90℃~700℃も変化する。
・大気には、「水素」と「ヘリウム」以外にも「ナトリウム」「カリウム」「カルシウム」「酸素」などがある。
・水星の質量の70%は鉄やニッケルなどの金属。30%はケイ酸塩でできている。


② 金星(きんせい)

(提供:NASA)

・水星の次に太陽に近い惑星。

惑星の中で最も地球に近いところにある。

地球からの観測では、日の出前(明けの明星)または日の入り後(よいの明星)によくみられる。

・地球との距離が近いため、太陽と月の次に明るく見える。

濃い二酸化炭素の大気があり、硫酸の粒でできた雲におおわれている。

内惑星、地球型惑星である。

【豆知識】
・太陽系の惑星の中で、最も地球の似ている惑星である。
・内部の構造も地球に似ているところが多い。
・太陽からの平均距離は1億820万km。
・大きさは6,052kmで、地球の大きさの0.95倍。
・公転周期は約225日。自転周期は約243日。公転周期より自転周期の方が長い。
・質量は、地球の質量の約0.82倍。
・大気は、no二酸化炭素(CO2)で、わずかに窒素(N2)も含んでいる。
・地表の気圧は92気圧と非常に高い。
・自転の方向が他の7つの惑星とは逆であるため、太陽が見えれば、太陽は西から昇り、東に沈むことになる。
・金星の自転がなぜ逆回転なのかは分かっていないが、大きな天体との衝突が原因という説がある。
・大気の二酸化炭素の温室効果で、金星の表面の平均気温約460℃にもなる。
・金星の大気は、太古の地球と似ている。
・大気の上層部では100m/sの風である「スーパーローテーション」が吹いており、約100時間で金星を一周する。なぜこのような強風が吹いているかは分かっていない。

③ 地球(ちきゅう)

(提供:NASA)

・生物が存在する唯一の天体。

・大気の主成分は「窒素」と「酸素」である。

・表面に大量の「水」がある。

・1日に1回自転しており。1年で1回公転する。

・赤道面は、公転面に対して約23.26度傾いている。

・衛星に「月」がある。

・地球型惑星である。

【豆知識】
・赤道半径は、6,378,137m。極半径(北極と南極をつないだ円の半径)は、約6,356,752mで、赤道半径の方が約21,385m大きい。
・内部構造は、「核」「マントル」「地殻」「大気層」からなる。「核」は鉄とニッケルの合金、「マントル」と「地殻」はケイ酸塩からできている。
・天文学的に、生命に必須と思われる環境が成立している領域を「ハビタブルゾーン」という。
・月の誕生は、巨大な天体の衝突によってできたという「ジャイアント・インパクト説」が有力である。
・大気は、「窒素」が約
78%、「酸素」が約21%含まれている。
・地球は太陽系の8個の惑星の中で、5番目に大きい惑星だが、密度は1番大きい。

④ 火星(かせい)

(提供:NASA)

・地球の外側を公転する惑星。

・主成分が二酸化炭素のうすい大気がある。

・大きさは地球の約半分。

【豆知識】
・表面は酸化鉄を多く含むため、赤みをおびて見える。
・表面の地形は変化に富んでおり、大きさは地球の半分ほどだが、表面積は地球より大きく、地球の約3倍は凸凹している。
・代表的な地形には、「オリンポス山」「マリネリス峡谷」「タルシス高地」「ヘラス平原」などがある。
・「オリンポス山」は太陽系最大の山である。標高21,230mで、エベレストの約3倍。太陽系最大の山である。
・「マリネリス峡谷」は太陽系最大の峡谷である。深さは2~7kmある。
・火星の高緯度地域には、二酸化炭素と水の氷からなる「極冠(きょっかん)」がある。
・大気は二酸化炭素が95%、窒素が3%、アルゴンが1.6%。
・公転周期は687日、自転周期は24時間37分。
・赤道直径6,794.4km。赤道半径3,396.2km。
・「フォボス」と「ダイモス」という2つの衛星がある。
・「フォボス」は徐々に火星に近づいており、将来火星に激突するか、破壊されると考えられている。
・「ダイモス」は逆に火星から徐々に遠ざかっている。
・赤道面が公転面に対して約25度傾いており、四季がある。
・現在の火星は、生命が存在することができる領域(ハビタブルゾーン)にあるといわれている。
・現在の火星に生物がいるのか、また、昔の火星に生物がいたのかはまだ分かっていない。

⑤ 木星(もくせい)

(提供:NASA)

・太陽系で、太陽から5番目のところにある惑星。

8個の惑星の中でもっとも大きく、地球の約11倍の大きさ。

・大気は水素やヘリウムなどのガスでできている。

・「大赤斑(だいせきはん)」と呼ばれる大きなだ円型の模様がある。

木星型惑星であり、外惑星である。

【豆知識】
・直径142,984km。平均半径69,911km。
・木星の中には、約1,300個の地球がはいる。地球をブドウの粒に例えると、木星はバスケットボールくらい。
・木星の1日は、地球の10時間弱程度。
・木星の1年(太陽の周りを一周する時間)は、地球の約12年。
・表面温度は-140度くらいだが、中心は36,000度もある。
・大気の88~92%は水素。8~12%はヘリウム。その他にもわずかなメタン、水蒸気、アンモニアなどが含まれる。
・「大赤斑」は地球2個分の大きさの超巨大台風。秒速180mの強風が吹く。
・木星には79個の衛星がある。有名なものには、「イオ」「エウロパ」「ガニメデ」「カリスト」などがある。
・衛星の「ガニメデ」は、太陽系で最も大きな衛星で、水星よりも大きい。
・木星にも土星のようにうすい「環(わ)」がある。4つのリングがある。
・木星はとても大きいため、その重力も強く多く小惑星が衝突するため、「太陽系の掃除屋」という異名を持つ。
・木星がなければ、地球に衝突する小惑星の数は今の1,000倍にもなる。
・木星のしま模様は表面にある雲によるもの。黒っぽい部分を「縞(しま,ベルト)」白っぽい部分を「帯(おび,ベルト)」という。

⑥ 土星(どせい)

(提供:NASA)

・太陽系で、太陽から6番目の場所にある惑星。

・太陽系で2番目に大きい惑星。地球の約9.5倍の直径。

・大きな「環(わ)」を持っている。

・外惑星であり、木星型惑星である。

【豆知識】
・直径120,536km。平均半径58,232km。
・土星の中に、約764個の地球が収まる。
・土星の1日は地球の10時間32分。土星の1年は地球の29.4571年。
・大気は、水素96.3%、ヘリウム3.25%。
・木星と同様に、雲でおおわれている。うすいしま模様がある。
・「環(わ)」は赤道上空120,700kmまで広がっているが、その厚さはわずか20m程度。
・少なくとも83個の衛星をもつ。有名なものには「タイタン」や「レア」「エンケラドゥス」などがある。
・「タイタン」は土星で最も大きな衛星。「レア」は2番目に大きい。それ以外の衛星はとても小さい。
・「エンケラドゥス」には微生物がいるかもしれないと言われている。

⑦ 天王星(てんのうせい)

(提供:NASA)

自転軸が約98度傾いており、黄道面に対してほぼ横倒しで自転している。

「環(わ)」をもつ。

・太陽系で3番目に大きい惑星。

・青緑色にみえる。

・外惑星であり、木星型惑星である。

【豆知識】
・直径51,118km。地球の約4倍。
・体積は地球の63倍で、63個の地球を入れることができる。
・天王星は84年ごとに太陽の周りを1周するため、極では、昼と夜が42年ごとに訪れる。
・自転軸がなぜこれほど傾いているのかは明らかになっていない。
・大気は、水素83%、ヘリウム15%、メタン2%からなる。その他にもアンモニア、エタン、アセチレンなどが含まれている。
・天王星は、中央に鉄ニッケルのコア、氷のようなマントル、水素・ヘリウム・メタンの大気からできている。
・天王星には、少なくとも27個の衛星がある。
・太陽系で最も寒い惑星で、表面の平均温度は-208度。

⑧ 海王星(かいおうせい)

(提供:NASA)

・太陽系の中で、太陽からもっとも離れたところにある。

・天王星よりやや小さい。地球の約4倍の大きさ。

・青く見える。

【豆知識】
・半径24,622km。
・地球の約57倍の体積で、地球が約57個入る大きさ。
・大気は、水素80%、ヘリウム19%、微量のメタンが含まれている。
・衛星は少なくとも14個あり、「トリトン」が最大の衛星。
・5つの「環(わ)」がある。


4. 関連記事 一覧

【「太陽系と恒星」の記事 一覧 】

5. 参考にしたサイト

・JAXA あかつき特設サイト 金星の概要

POSTED COMMENT

  1. Naoya より:

    衛星と惑星と恒星のイラストの動く向き逆じゃないですか?

    • たつや より:

      返信遅くなり申し訳ありません。この度はご指摘いただきありがとうございました。
      北極から見て反時計回りに訂正しました。今後も何かお気づきの点がありましたら、お問い合わせいただけるとありがたいです。
      今後とも「かめのこブログ」をよろしくお願いいたします。

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