中学校の理科では「シダ植物」や「コケ植物」のからだのつくりを学習しますが、よく理解できていますか?
この記事では、「植物の分類」「シダ植物の特徴」「コケ植物の特徴」などについて解説しています。
それでは早速「コケ植物・シダ植物」について、一緒に学習していきましょう!
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0. 「植物の分類」の記事 一覧
「植物の分類」の単元に関係する記事の一覧です!
今、学習している内容がどこにあたるか確認しておきましょう!
1. シダ植物・コケ植物とは?
① 中学校で学ぶ植物の分類
種子をつくる植物を「種子植物」といい、「被子植物」と「裸子植物」の2種類がいます。
その一方、種子をつくらない植物には「シダ植物」と「コケ植物」がいます。
今回の記事では、シダ植物とコケ植物のからだのつくりや生態についてわかりやすく解説していきます!
被子植物と裸子植物の違いについては下の記事をご覧ください。
② 【豆知識】植物のなかま(藻類)
テストには、あまり出ることはありませんが、藻類もよく教科書にのっているので、少し説明しておきます。
植物に近い分類として、「藻類」というものがあります。皆さんが想像するコンブやワカメなどの海藻がこれにあたります。
「藻類」には、「緑藻類」や「紅藻類」などのグループがあります。
「緑藻類」には、ミカヅキモやマリモ、アオサなど。「紅藻類」には、アマノリやテングサなどが属しています。
アオサ | テングサ |
Photo by Holger Krisp(2011)/CC BY 3.0 | Photo by Show_ryu(2009)/CC BY-SA 3.0/Adapted. |
結局、藻類は植物なの?植物じゃないの?
「植物」のグループをどう考えるかによります。
陸上にいる「種子植物」「シダ植物」「コケ植物」のみを植物と考える時もあれば、「藻類」を含んで植物というときもあるため、決め方によってどちらともいえるようです。
気になる人は下のサイトも参考にしてください。
③ シダ植物・コケ植物がある場所
シダ植物もコケ植物もあまり見かけないけど、どこにいるの?
シダと植物とコケ植物は、どちらも日当たりのよくない湿った場所にあります。
シダ植物やコケ植物は、弱い光でも光合成をすることができるため、あまり日光が当たらない場所でも生きることができます。
2. シダ植物
シダ植物の特徴は、次の3つです。
① 葉、根、茎の区別がある
② 維管束がある
③ 種子をつくらず胞子でふえる
この3つの特徴をもった植物のことを「シダ植物」といいます。
代表的なシダ植物は下の4つです。イヌワラビはテストでもよく出るので、必ず覚えておきましょう。
イヌワラビ | スギナ |
Photo by harum.koh(2015)/CC BY-SA 2.0 | |
ゼンマイ | ヘゴ |
Photo by さかおり(2017)/ /CC BY-SA 2.0 |
それでは、シダ植物の特徴を詳しく説明していきます!
① 葉、茎、根の区別がある
シダ植物は、種子植物と同じように葉、茎、根があります。
葉・茎・根は、どれも種子植物と同じようなはたらきをするため、からだの基本的なつくりは種子植物と似ています。
じゃあ、種子植物との違いはどこなの?
種子植物との違いは、それぞれのつくりの場所です。下の画像で確認しましょう。
シダ植物の葉は、種子植物と違い、長い柄(え)があり、一枚の葉にたくさんの切れこみがはいっています。
また、多くのシダ植物の茎は、地中にあり、地中にある茎のことを「地下茎(ちかけい)」といいます。
② 維管束(いかんそく)がある
シダ植物にも種子植物と同じ「維管束」があります。
維管束とは、水を運ぶ道管や養分を運ぶ師管の集まりのことです。
そのため、シダ植物をカミソリで薄く切ると、種子植物と同じような維管束を観察することができます。
③ 種子をつくらず胞子で増える
シダ植物は、種子をつくりません。その代わりに「胞子(ほうし)」をつくることでなかまをふやします。
胞子は、葉の裏にある「胞子のう」という袋(ふくろ)でつくられます。下の画像の葉についているのが胞子のうです。
胞子のうの胞子は、成熟(せいじゅく)すると胞子のうからまかれ、近くにまかれます。その後、胞子は湿り気のあるところで発芽します。
3. コケ植物
コケ植物の特徴は以下の2つです。
① 葉、茎、根の区別がない
② 種子をつくらず、胞子でふえる
③ 維管束がない
この3つの特徴をもった植物を「コケ植物」といいます。
代表的なコケ植物の例は下の2つです。
ゼニゴケ | スギゴケ |
Photo by Isana Chiba(2019)/CC BY-SA 4.0 |
① 葉・茎・根の区別がない
コケ植物は、葉・茎・根の区別がありません。
でも、葉・茎・根に見える部分があるよ?
そうなんです。葉・茎・根のようにみえる部分はもっていますが、同じはたらきをしていないため、葉・茎・根とはいいません。
葉のようにみえる部分は、「葉状体」といいます。
また、根のように見える部分を「仮根(かこん)」といいます。仮根は、水を吸収するのではなく、岩などにくっつくためのものです。
じゃあ、仮根で水分を吸収しないなら、どこで吸収するの?
コケ植物は、からだの表面で水を吸収します。からだのいろいろな場所についた水をからだの表面から直接体内に取りこみます。
② 種子をつくらず、胞子でふえる
コケ植物もシダ植物と同じように、「胞子」でふえます。
コケ植物には、「雄株(おかぶ)」と「雌株(めかぶ)」があります。
雌株が成熟(せいじゅく)すると、雌株の上に「胞子のう」ができ、この中に胞子がはいっています。