中学校では「塩化コバルト紙の色の変化」を学習しますが、よく理解できていますか?
この記事では、「塩化コバルト紙とは」「塩化コバルト紙の色の変化」「色の変化の理由」などについてわかりやすく解説しています。
それでは早速、「塩化コバルト紙」について一緒に学習していきましょう!
1. 塩化コバルト紙とは
「塩化コバルト紙」は、実験で発生した液体が水であるかを確認するための紙です。
塩化コバルト紙は、「塩化コバルト(CoCl₂)」の水溶液に紙をつけて作られます。
ちなみに、塩化コバルト紙は有毒なので口に入れたり、なめたりしないように注意しましょう!
2. 塩化コバルト紙の色の変化
塩化コバルト紙は、水につけると青色から赤色に変化します。
水につけた時の変化は次のとおりです。
3. 【コラム】塩化コバルト紙の色の変化の理由
※「【コラム】塩化コバルト紙の色の変化の理由」は、中学校では習わない内容です。興味のある人は読んでみてください!
塩化コバルト紙の色が変わるのは分かったけど、なんで色が変わるんだろう?
色の変化自体に注目するなんて、すごいね!
実は、塩化コバルト紙の色の変化には「塩化コバルト(CoCl₂)」の性質が関係しているんだ!
塩化コバルト紙は、「塩化コバルト(CoCl₂)」の水溶液を紙にしみこませて、乾燥させたものです。
塩化コバルト(CoCl₂)には、乾燥しているときは青色、水と反応すると赤色になるという性質があります。
赤色になるのは、塩化コバルトと水の化学反応によって「ヘキサアクアコバルト(Ⅱ)イオン」という物質ができるためです。
ヘキサアクアコバルト(Ⅱ)イオンができる化学反応式は次の通りです。
CoCl₂ + 6H₂O → [Co(H₂O)₆]²⁺ + 2Cl⁻
(塩化コバルト[青色] + 水 → ヘキサアクアコバルト(Ⅱ)イオン[赤色] + 塩化物イオン)
4. その他の指示薬
物質の性質を調べるための薬品を「指示薬(しじやく)」といいます。
中学校の理科では、色々な指示薬を使うので、どのようなものがあるのか確認して行きましょう!
① 酸性・中性・アルカリ性を調べるもの
酸性・中性・アルカリ性を調べるための指示薬には次の5種類があります。
(1) リトマス紙
(2) BTB溶液
(3) フェノールフタレイン溶液
(4) ムラサキキャベツ液
(5) pH試験紙(万能試験紙)
それぞれの指示薬の色の変化は次の通りです。
中でも、「リトマス紙」「BTB溶液」「フェノールフタレイン溶液」はとても大切なので覚えるようにしましょう!
② その他の指示薬
その他の指示薬には次の6種類があります。
どれも使い道が違うので、簡単に復習しておきましょう!
(1) 石灰水
二酸化炭素と反応し、白くにごる液体。
(2) ヨウ素液
デンプンと反応して青紫色になる。
(3) ベネジクト液
加熱すると糖と反応して、赤褐色になる。
(4) 塩化コバルト紙
水と反応して青色から赤色にかわる。
(5) 酢酸カーミン溶液・酢酸オルセイン溶液
細胞の核や染色体を赤色に染める。
(6) 酢酸ダーリア溶液
細胞の核や染色体を青紫色に染める。