「海のギャング」ともいわれるシャチですが、その分類について気になったことはあるでしょうか?
この記事では、「シャチの分類」「ハクジラ目とは?」「シャチの生態」などについて解説しています。
それでは早速、シャチの分類について確認していきましょう!
1. シャチは何類?
① シャチの分類
結論から言うと、シャチは「ホニュウ類」に分類されます。
ホニュウ類というと、ヒトや犬などの毛がたくさん生えている動物をイメージするかもしれませんが、シャチもホニュウ類の一種です。
他にも海に生息するホニュウ類にはクジラやイルカ、アザラシやジュゴンなどがいます。
これらのホニュウ類は海で生活するために、手や足をヒレのような形に変化させました。また、シャチやクジラ、イルカは鼻の場所を顔の中心から頭の上にすることによって息継ぎを簡単にすることができるようになりました。
② シャチの詳しい分類
次は、シャチの詳しい分類について見ていきましょう。
シャチは、ホニュウ類の中の「クジラ目」というグループに属しています。
そのため、シャチはクジラの仲間ということができます。
また、「クジラ目」には、歯をもつ「ハクジラ亜目」とヒゲをもつ「ヒゲクジラ亜目」の2つのグループがあり、シャチは「ハクジラ亜目」に属しています。
ハクジラの仲間には、イカが大好物のマッコウクジラやイルカショーでお馴染みのカマイルカ、オキゴンドウなどの動物が含まれます。
③ シャチのホニュウ類の特徴
シャチはその体の形こそ魚に似ていますが、ホニュウ類の特徴をきちんともっています。
シャチの体の作りについてまとめると次のようになります。
① ウロコはなく、皮膚に覆われている。
② 頭の上に鼻があり、エラではなく肺で呼吸している。
③ 卵生ではなく胎生で子を増やす。
④ 恒温動物である。
このように特徴をあげてみると、全てホニュウ類の特徴にあてはまっていることが分かりますね。
つまり、シャチは「体の形」と「海に住んでいる」ということ以外、どこをとってもホニュウ類の特徴を兼ね備えているといえるでしょう。
2. シャチの生態
シャチは「オルカ」や「サカマタ」ともよばれ、主に水温の低い地域に生息していますが、赤道付近などでも目撃されており、世界のあらゆるところで生息しています。
日本では、北海道や和歌山県で目撃されています。
シャチは海の中の食物連鎖の最上位に位置しており、魚類全般からサメやクジラなども食べる大型の肉食動物です。他にもペンギンやアザラシ、さらにはシロクマを捕食することもあります。
色々な動物を捕食するシャチですが、ヒトを獲物にすることはあまりありません。
しかし、好奇心旺盛なため、気になったものをかじってみたり、水中に引っ張ってみることはあるようです。
野生のシャチには近づかないようにしましょう。
今のところ、シャチは1種類しか存在しないと言われていますが、南極だけでみてもシャチには食べるものや大きさの異なる3タイプのシャチがいるため、近い将来別の種類として認定されるものが出てくるかもしれません。
また、シャチは知能が高く、数頭から数十頭の群れで協力して狩りをします。
一度捕食した魚を吐き出し、そこに集まってきたカモメを捕食したり、群れで氷の下を何度も通過し、波を起こして氷の上のアザラシを食べたり、クジラの子どもが呼吸できないように上から何度も押さえつけて窒息死させたりなど様々な方法で狩りをします。
また、群れの間で「コール」という鳴き声を使ってコミュニケーションをとります。
コールには、群れごとの方言のようなものもあり、非常に社会性の高い動物であるということがわかりますね。
3. 【コラム】クジラのお肉はホニュウ類の味!?
クジラは、シャチと同じく「ホニュウ類」に分類される動物です。
中学校の給食ではたまに「クジラの竜田揚げ」が出ると思います。クジラを食べてみて「普通の魚とは何かが違うな?」と思ったことはないでしょうか。
それは、クジラがシャチと同じく「ホニュウ類」に属しているからです。つまり、クジラは魚ではないわけです。どちらかというとウシやウマに似た味がしますよね。
クジラのお肉には「赤肉(あかにく)」や「うねす」「鹿の子(かのこ)」「尾肉(おにく)」などいろいろな部位があり、部位によって味わいが全く違います。
竜田揚げは「赤肉(あかにく)」を使って作られることが多いようです。
是非、今後クジラのお肉を食べる機会がありましたら、「ホニュウ類の味」を感じてみてください!!
5. その他の分類を間違えやすい動物たち
シャチ以外にも下の動物のように一見分類が難しいと感じる動物はたくさんいます。
イモリ、ヤモリ、タツノオトシゴ、エイ、サメ、クジラ、イルカ、ウミガメ、ペンギン、カモノハシ、アザラシ、コウモリ、ダチョウ
これらの動物は分類見た目やその特徴をよく知らないと分類することが難しいため、分類がわからないものがあれば、確認しておきましょう。
セキツイ動物の分類 | 間違えやすい動物 |
魚類 | タツノオトシゴ、エイ、サメ |
両生類 | イモリ |
ハチュウ類 | ヤモリ、ウミガメ |
鳥類 | ペンギン、ダチョウ |
ホニュウ類 | クジラ、イルカ、シャチ、カモノハシ、アザラシ、コウモリ |
また、これらの動物の分類についてより詳しく学びたい方は、下の記事も参考にしてみてください!
6. まとめ
今回の記事では、「シャチの分類」について説明していきました。
シャチは、「魚類」の中の「ハクジラ亜目」の中の「マイルカ科」の中の「シャチ属」に分類される動物でした。
また、シャチはクジラやイルカととても近い仲間で、これらの動物は以下の特徴をもっています。
① ウロコはなく、皮ふに覆われている
② 頭の上に鼻があり、エラ呼吸ではなく肺呼吸をしている
③ 卵生ではなく胎生で子を増やす
④ 恒温動物である
「海のギャング」ともいわれるシャチですが、水族館などで見かけることもある動物ですので、その生態や分類について知っておいて損はないと思います。
最後まで、ご精読ありがとうございました!
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