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カモノハシは何類? | カモノハシの特徴とその理由について解説!

卵を産み、鳥のようなクチバシをもつカモノハシですが、カモノハシは何類か気になったことはありませんか?

この記事では、「カモノハシの分類」「カモノハシの特徴」「カモノハシの生態」などについて丁寧に解説しています。

それでは早速、不思議な生き物カモノハシについて説明していきます!!

1. カモノハシは何類?

① カモノハシの分類

結論からいうと、カモノハシは「ホニュウ類」に属します。


カモノハシは「動物界、脊索動物門、脊椎動物亜門、哺乳綱、単孔目、カモノハシ科、カモノハシ属」に分類されるホニュウ類です。


カモノハシ科とカモノハシ属はカモノハシのみで構成されるグループで、カモノハシは現在は1種しか確認されていません。

② 単孔類とは?

カモノハシは、「単孔類(たんこうるい)」というグループに属しています。


単孔類には、カモノハシハリモグラの2種類がおり、どちらも「総排出孔(そうはいしゅつこう)」という穴から尿や便などの排泄物を出します。


ヒトのように尿と便の排出口が分かれていないことから「単孔目」という名前がつけられたようです。


「総排出孔」は、ハチュウ類や鳥類に共通してみられる体のつくりのため、単孔目はホニュウ類の中でも原始的なグループであると考えられています。


また、単孔目は「卵を産む」という特徴ももっています。


ホニュウ類の中で単孔目のカモノハシとハリモグラのみが卵を産みます。

ハリモグラ(オーストラリア)

2. カモノハシの奇妙な特徴



カモノハシは、他のホニュウ類にはない4つの特徴を持っています。

(1) 数少ない卵を産むホニュウ類

カモノハシは数少ない卵を産むホニュウ類です。


通常、ホニュウ類は「胎生」といって、お腹の中で子どもを育ててから体の外に生み落とします。


一方で、単孔目に属するカモノハシやハリモグラは「卵生」といい、卵を産むことで子どもを増やします。


カモノハシの卵は弾力があり、粘り気のある粘液でおおわれています。


卵はメスが温め、10~12日で生まれます。

(2) 特殊な方法で母乳をあたえる

カモノハシは変わった方法で子どもに母乳を与えます。


カモノハシのメスには「乳首」がなく、母乳はメスのお腹の「皮ふの乳腺」から汗のようにしみでてきます。


母乳は出るのに、乳首をもたないなんてなんとも中途半端な気がしますね。

(3) オスの後ろ足には毒がある

オスのカモノハシは、後ろ足の「蹴爪(けづめ)」から毒を出します。


この毒は、ヒトを死に至らしめるほどのものではないものの、イヌであれば呼吸や呼吸や心臓の機能障害により死に至ることもあるほど強力な毒のようです。


また、ヒトがもしこの毒に侵されると、鎮痛剤が効かないほどの激痛におそわれ、その痛みは数日から数か月も続くといわれています。


ホニュウ類で毒をもつものは珍しく、カモノハシ以外には、「スローロリス」や「トガリネズミ」などがいます。

(4) 目をつぶりながら獲物をみつける

カモノハシは、目をつぶった状態で「クチバシ」を利用して獲物をみつけます。


カモノハシのクチバシは、鳥類のクチバシのように硬くなく、ゴムのような弾力があります。

このクチバシには、生物のからだから流れる微量の電流を感知する能力があり、クチバシで獲物を感知して捕まえます。


なお、カモノハシはクチバシ以外の感覚器官(目や耳など)はあまり発達していないといわれています。

3. カモノハシの生態

学名Ornithorhynchus anatinus
和名カモノハシ
英名duckbill
体長オス 45~60 cm , メス 39~55 cm
生息地オーストラリア東部、カンガルー島
生息場所
(気候等)
熱帯雨林から積雪のある山地まで広く生息
河川や湖に生息
レッドリスト準絶滅危惧種(NT)



カモノハシは、熱帯雨林から積雪のある山地までいたるところに生息しており、河川や湖を住みかとしています。


エサには、昆虫類や甲殻類、二枚貝、ミミズ、魚類の卵、魚類の幼生なども食べます。

水の中で獲物を探すことが多く、通常は1~2分程度潜水することが可能です。


水辺に穴を掘って巣をつくります。巣の入り口は水中や土手にあるため、外からは分かりづらくなっています。

4. 分類を間違われやすい生物 一覧

カモノハシ以外にも下の動物のように一見分類が難しいと感じる動物はたくさんいます。

イモリ、ヤモリ、タツノオトシゴ、エイ、サメ、クジラ、イルカ、ウミガメ、ペンギン、カモノハシ、アザラシ、コウモリ、ダチョウ


これらの動物は分類見た目やその特徴をよく知らないと分類することが難しいため、分類がわからないものがあれば、確認しておきましょう。

   セキツイ動物の分類   間違えやすい動物
魚類タツノオトシゴ、エイ、サメ
両生類イモリ
ハチュウ類ヤモリ、ウミガメ
鳥類ペンギン、ダチョウ
ホニュウ類クジラ、イルカ、シャチ、カモノハシ、アザラシ、コウモリ



また、これらの動物の分類についてより詳しく学びたい方は、下の記事も参考にしてみてください!

セキツイ動物の分類で間違えやすい動物を解説!【中学 理科】 中学1年生ではセキツイ動物の分類について学習しますが、100%理解した!という人は少ないのではないでしょうか?この記事では、イモリ、ヤ...

5. まとめ

今回の記事では、「カモノハシの分類」について解説しました。


最後に、カモノハシの特徴をまとめてチェックしておきましょう!

  1. 卵を産んで子をふやす
  2. 腹部の乳腺から母乳がしみでる
  3. オスの蹴爪(けづめ)には毒がある
  4. クチバシは生き物の電流を感知できるセンサー


最後まで、読んでくださりありがとうございました!