中学校の理科では「日本の四季の天気」について学習しますが、よく理解できていますか?
この記事では、「春の天気」「梅雨の天気」「夏の天気」「台風の時期の天気」「秋の天気」「冬の天気」についてわかりやすく解説しています。
それでは早速、「日本の四季の天気」について一緒に学習していきましょう!
1. 日本周辺の気団
「気団」とは、空気のかたまりのことです。
日本の天気と関係する気団には、「シベリア気団」「オホーツク海気団」「揚子江気団」「小笠原気団」の4つの気団があります。
それぞれの気団の特徴は次の通りです。
「シベリア気団」 → 寒冷・乾燥
「オホーツク海気団」 → 寒冷・湿潤
「揚子江気団」 → 温暖・乾燥
「小笠原気団」 → 温暖・湿潤
それぞれの気団について復習したい方は下の記事を参考にしてください!
2. 日本の四季
日本には、「春」「夏」「秋」「冬」の4つの季節があり、これを合わせて四季と呼びます。
また、日本の季節をもう少し詳しくみていくと、春と夏の間には「梅雨(つゆ、ばいう)」があり、夏と秋の間には「台風」がきます。
日本の四季を簡単に並べると、次のようになります。
この記事では、この順番で日本の季節を6つの時期に分けてみていきます!
(1) 春の天気(3~5月ごろ)
(2) 梅雨の天気(5~7月初めごろ)
(3) 夏の天気(6~8月ごろ)
(4) 台風の時期の天気(7~9月ごろ)
(5) 秋の天気(9~11月ごろ)
(6) 冬の天気(12~2月ごろ)
3. 春の天気(3~5月ごろ)
まずは、春の天気について解説していきます!
春は4つのどの気団もあまり発達しません。
そのため、西から東に吹く「偏西風(へんせいふう)」の影響が大きくなります。
また、春には「揚子江気団」からちぎれた「移動性高気圧」が偏西風にのってやってきます。
高気圧と高気圧の間は「低気圧」になることが多いです。
そのため、春は「移動性高気圧」と「低気圧」が交互にやってきます。
したがって、春の天気は変わりやすく、良い天気と悪い天気が繰り返されます。
【春の天気のまとめ】
① どの気団も発達しない。
② 揚子江気団からちぎれた「移動性高気圧」と「低気圧」が交互にくる。
③ 良い天気と悪い天気が交互に繰り返される。
4. 梅雨の天気(5~7月初めごろ)
梅雨には、「オホーツク海気団」と「小笠原気団」が発達し、日本上陸でぶつかります。
オホーツク海気団と小笠原気団がぶつかった所には「梅雨前線(停滞前線)」ができます。
この「梅雨前線(停滞前線)」は、日本周辺に長くとどまるため、雨の日が長く続きます。
【梅雨の天気のまとめ】
① 「オホーツク海気団」と「小笠原気団」が日本上空でぶつかる。
② 「梅雨前線(停滞前線)」が長い間とどまり、雨の日が続く。
ちなみに、梅雨の時期は気象庁が発表しています。
⇒梅雨入りと梅雨明け(気象庁)
例えば、2023年の関東甲信越の梅雨入りは「6月8日ごろ」。梅雨明けは「7月22日ごろ」です
5. 夏の天気(6~8月ごろ)
夏は、「小笠原気団」が発達して日本を覆います。
これによって、日本は気温と湿度が高くジメジメとした天気になります。
また、小笠原気団の影響で、南東に高気圧、北西に低気圧ができます。
このように、南に高気圧、北に低気圧がある状態を「南高北低の気圧配置」といいます。
風は、高気圧がある所から低気圧のある所に吹くので、「南東の季節風」が吹きます。
【夏の天気のまとめ】
① 「小笠原気団」が発達し、気温と湿度が高くなる。
③ 「南高北低の気圧配置」となる。
② 「南東の季節風」が吹く。
6. 台風の時期の天気(7~9月ごろ)
台風は7〜9月ごろに日本に上陸します。
台風は、赤道付近の熱帯で発生します。
熱帯で発生する「熱帯低気圧」の中で、最大風速が17.2m/s 以上のもののことを「台風」といいます。
ちなみに、台風は小笠原気団を沿うように北上してくるので、7〜9月にかけて進路が変わります。
7. 秋の天気(9~11月ごろ)
秋は、春と同じく偏西風の影響で「移動性高気圧」と「低気圧」が交互に上陸します。
そのため、変わりやすい天気が続きます。
また、9月~10月にかけて、夏に発達した「小笠原気団」の勢力が徐々に弱まり、「オホーツク海気団」とぶつかります。
これにより、「秋雨前線(停滞前線)」ができます。「秋雨」は「あきさめ」と読みます。
【秋の天気のまとめ】
① 春と同じく「移動性高気圧」と「低気圧」が交互に上陸し、良い天気と悪い天気が繰り返される。
② 「小笠原気団」と「オホーツク海気団」がぶつかり、「秋雨前線(停滞前線)」ができる。
8. 冬の天気(12~2月ごろ)
冬は、「シベリア気団」が発達して日本を覆います。
そのため、気温が低い日が続きます。
シベリア気団は空気のかたまりなので高気圧です。
冬は西に高気圧、東に低気圧ができることが多いです。これを「西高東低の気圧配置」といいます。
また、風は高気圧から低気圧の方向に吹くため、「北西の季節風」が吹きます。
この北西の季節風は、日本海でたくさんの水蒸気を含んで日本海側(新潟県など)に上陸します。
そのため、日本海側では雪の日が多くなります。
また、日本海側で雪が降った後は乾燥した空気となるため、太平洋側は乾燥した晴れの日が多くなります。
【冬の天気のまとめ】
① 「シベリア気団」が発達し、日本を覆う。
② 「西高東低の気圧配置」になることが多い。
③ 「北西の季節風」が吹く。
④ 日本海側では雪の日、太平洋側では乾燥した晴れの日が多くなる。