中学校では、「pH」について学習しますが、詳しく説明できますか?
この記事では、「pHとは」「酸性の物質の例」「中性の物質の例」「アルカリ性の物質の例」「pHを調べる指示薬」などをわかりやすく解説しています。
それでは早速、「pH」について一緒に学習していきましょう!
1. pHとは?
「pH」とは、液体の酸性・中性・アルカリ性を0~14の数字で表したものです。
「pH」と書いて「ピーエイチ(英語)」や「ペーハー(ドイツ語)」と読みます。
真ん中の7を中性として、0に近づくほど強い酸性、14に近づくほど強いアルカリ性になります。
2. 酸性の物質の例
酸性の物質には次のようなものがあります。
ここでは、物質を「理科の実験でつかう物質」と「身近にあるもの」に分けて紹介していきます!
【実験でつかう物質】
・塩酸(HCl)
・硫酸(H₂SO₄)
・硝酸(HNO₃)
・クエン酸(C₆H₈O₇)
・酢酸(CH₃COOH)
・炭酸(H₂CO₃)
・リン酸(H₃PO₄)
・硫酸銅水溶液(CuSO₄)
【身近にあるもの】
・炭酸飲料(炭酸水、コーラなど)
・レモン汁
・胃液
・ビール
・ワイン
・トマト
・フルーツ
・お茶
・スポーツドリンク
・酸性洗剤(サンポールなど)
3. 中性の物質の例
身近な中性の物質には次のようなものがあります。
【実験でつかう物質】
・純水(H₂O)
・砂糖水
・食塩水
・エタノール(C₂H₆O)
【身近なもの】
・中性洗剤
(食器用洗剤、おしゃれ着洗剤など)
中性はpH7だけなので、酸性やアルカリのものより
4. アルカリ性の物質の例
身近なアルカリ性の物質には次のようなものがあります。
【実験でつかう物質】
・水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)
・アンモニア水(NH₄OH)
・石灰水(Ca(OH)₂)
・重曹水
・水酸化カリウム水溶液
・炭酸ナトリウム水溶液
・炭酸水素ナトリウム水溶液
【身近なもの】
・漂白剤
・洗濯用洗剤
・石けん水
・セメント
5. pHを調べるための指示薬
pHを調べるためには、リトマス紙などの指示薬というものを使います。
指示薬の種類と色の変化は次の通りです。
指示薬には色々な種類があるので、それぞれの指示薬についてより詳しく知りたい方は下の文字をクリックしてみてください!
【中学校で学習するpHに関係する指示薬】
・リトマス紙
・BTB溶液
・フェノールフタレイン溶液
・ムラサキキャベツ溶液
・pH試験紙(万能試験紙)
6. 【コラム】pHはどうやって決まる?
※「【コラム】pHはどうやって決まる?」は中学校の理科の内容ではありません。興味のある人は是非読んでみてください!
pHについてはなんとなくわかったけど、結局pHって何者なんだろう、、、
良い質問だね!
pHの決まり方って、中学校の範囲ではあまり詳しく説明されないことが多んだ。
実は、pHは「水素イオン」と「水酸化物イオン」という2種類のイオンの数で決まっているよ。
簡単にpHの決まり方について確認してみよう!
たつや先生、ありがとう!!
実は、「酸性」「中性」「アルカリ性」を決めるのは「水素イオン(H⁺)」と「水酸化物イオン(OH⁻)」いうイオンです。
「水素イオン(H⁺)」とは、水素原子が電子を失って+に帯電したイオンのことです。
また、「水酸化物イオン(OH⁻)」とは、水酸化ナトリウム(NaOH)などが水に溶けることでできる、-に帯電したイオンのことです。
続いて、「水素イオン(H⁺)」と「水酸化物イオン(OH⁻)」の数に注目して、酸性・中性・アルカリ性の液体に含まれるイオンをみてみましょう。
このように、
酸性では、「水素イオン(H⁺)の数 > 水酸化物イオン(OH⁻)の数」
中性では、「水素イオン(H⁺)の数 = 水酸化物イオン(OH⁻)の数」
アルカリ性では、「水素イオン(H⁺)の数 < 水酸化物イオン(OH⁻)の数」
という関係になっています。
つまり、水素イオン(H⁺)と水酸化物イオン(OH⁻)の数を比べて、
水素イオン(H⁺)の方が多いと「酸性」
水素イオンと水酸化物イオンの数が同じだと「中性」
水酸化物イオンの方が多いと「アルカリ性」
になります!
このように、酸性・中性・アルカリ性は、液体の中の水素イオンと水酸化物イオンの数によって決まります。