中学校では「pH試験紙の色の変化」を学習しますが、よく理解できていますか?
この記事では、「pH試験紙とは」「pH試験紙の変化」「pH試験紙がいろいろな色になる理由」などについてわかりやすく解説しています。
それでは早速、「pH試験紙」について一緒に学習していきましょう!
1. pH・pH試験紙とは
「pH(ピーエイチ、ペーハー)」とは、液体の性質(酸性・中性・アルカリ性)を0~14の数字で表したものです。
7の中性を基準に、0に近づくほど強い酸性、14に近づくほど強いアルカリ性になります。
pH0~14の具体例は次の通りです。
このpHを簡単に調べることができるのが「pH試験紙」です。
pH試験紙は、「万能試験紙」「万能pH試験紙」とも呼ばれます。
2. pH試験紙の種類と色の変化
※高校入試や定期考査では、pH試験紙の種類や色が出題されることは稀なので、流し読み程度で十分です。
pH試験紙には、いろいろな種類があります。
中学校では、「ユニバーサル試験紙」と「ホールレンジ試験紙」の2種類が多く使われている印象です。
今回はこの2種類について詳しく説明するので、学校で使うときには何の種類を使っているのか確認してみましょう!
① ユニバーサル試験紙
ユニバーサル試験紙は、「UNIV」と書いてあるロールタイプのpH試験紙です。
ユニバーサル試験紙はpH1~11までを色の変化で表します。
pH1(酸性)では赤色や橙色、pH7(中性)では緑色、pH11(アルカリ性)だと群青色や紫色になります。
② ホールレンジ試験紙
ホールレンジ試験紙は「WR」と書いてあるロールタイプのpH試験紙です。
ホールレンジ試験紙はpH0~14までを色の変化で表します。
pH0(酸性)では赤色、pH7(中性)では黄緑色、pH11(アルカリ性)だと群青色になります。
3. 【コラム】pH試験紙がいろいろな色になる理由
※「【コラム】pH試験紙に含まれる指示薬」は中学校で学習する内容ではないです。興味がある人だけ読んでみてください!
pH試験紙の色が変わるのは分かったけど、なんでこんなにたくさんの色になるんだろう?
いい質問だね!
実は、色の変化には使われている指示薬が関係しているよ!
pH試験紙には、様々な指示薬が使われています。
一般的なpH試験紙には、水、1-プロパノール、フェノールフタレイン、水酸化カリウム、メチルレッド、ブロモチモールブルー(BTB)、チモールブルーが使われています。
中学校でも、BTB溶液に含まれる「ブロモチモールブルー(BTB)」やフェノールフタレイン溶液に含まれる「フェノールフタレイン」は聞いたことがあると思います。
BTBは中性で緑色、フェノールフタレインはアルカリ性で赤色などpHの変化によって色が変わります。
このように、色々な指示薬が色々なpHで色の変化をおこし、pHを判断することができます。
4. その他の指示薬
物質の性質を調べるための薬品を「指示薬(しじやく)」といいます。
中学校の理科では、色々な指示薬を使うので、どのようなものがあるのか確認して行きましょう!
① 酸性・中性・アルカリ性を調べるもの
酸性・中性・アルカリ性を調べるための指示薬には次の5種類があります。
(1) リトマス紙
(2) BTB溶液
(3) フェノールフタレイン溶液
(4) ムラサキキャベツ液
(5) pH試験紙(万能試験紙)
それぞれの指示薬の色の変化は次の通りです。
中でも、「リトマス紙」「BTB溶液」「フェノールフタレイン溶液」はとても大切なので覚えるようにしましょう!
② その他の指示薬
その他の指示薬には次の6種類があります。
どれも使い道が違うので、簡単に復習しておきましょう!
(1) 石灰水
二酸化炭素と反応し、白くにごる液体。
(2) ヨウ素液
デンプンと反応して青紫色になる。
(3) ベネジクト液
加熱すると糖と反応して、赤褐色になる。
(4) 塩化コバルト紙
水と反応して青色から赤色にかわる。
(5) 酢酸カーミン溶液・酢酸オルセイン溶液
細胞の核や染色体を赤色に染める。
(6) 酢酸ダーリア溶液
細胞の核や染色体を青紫色に染める。