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レッドリスト・レッドデータブックとは?その違いと内容について解説!


皆さんは、「レッドリスト(RL)」や「レッドデータブック(RDB)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

この記事では、「レッドリスト・レッドデータブックの違い」「世界の絶滅危惧種」「二ホンの絶滅危惧種」「レッドリストのカテゴリー」などについて解説していきます。

それでは、「レッドリスト」や「レッドデータブック」について勉強していきましょう!

1. レッドリスト・レッドデータブックとは?

※この記事では、主に日本の環境省が作成している「レッドリスト」「レッドデータブック」について解説しています。

レッドリスト(RL)」と「レッドデータブック(RDB)」は、どちらも環境省などの機関が作成した野生生物の保護を目的としたものです。


現在、世界では環境の変化によって、多くの生物が絶滅の危機に瀕しています。


絶滅の危機にある生物の状況を周知するために、レッドリストやレッドデータブックが作られました。

① レッドリストとレッドデータブックの違い

まずは、「レッドリスト(RL)」と「レッドデータブック(RDB)」の違いを確認しておきましょう。

レッドリスト(RL)

日本の環境省がつくっている「日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト」のこと。



レッドデータブック(RDB)

「レッドリストに掲載されている生物の状況をまとめた書籍」のこと。


つまり、「レッドリスト(RL)」が元となり、「レッドデータブック(RDB)」という本が作られます。


レッドリストとレットデータブックの全面改定はおおむね10年ごとに行われています。また、細かな改定は毎年行われています。

② リストに掲載される生物の種類

動物では、「哺乳類」「鳥類」「爬虫類」「両生類」「汽水・淡水魚類」「昆虫類」「貝類」「その他無脊椎動物(クモ形類、甲殻類等)」の8種類が掲載されています。


植物では、「植物Ⅰ(維管束植物)」「植物Ⅱ(維管束植物以外:蘚苔類、藻類、地衣類、菌類)」が掲載されています。


また、2017年3月に新しくつくられた「海洋レッドリスト」には、「魚類」「サンゴ類」「甲殻類」「軟体動物(頭足類)」「その他無脊椎動物」が載っています。

③ RL・RDBを作成している他の団体

この記事では、日本の「環境省」が作成しているレッドリスト(RL)・レッドデータブック(RDB)について解説していますが、環境省以外のところでも作られています。


環境省以外にレッドリストやレッドデータブックをつくっている団体としては
IUCN(国際自然保護連合)」「日本以外の国々」「水産庁」「都道府県」「NGO」「学会」などがあります。


「IUCN(国際自然保護連合)」は、1948年に創設された団体で、約1200の組織(200を超える政府・機関、900を超える非政府機関)が所属しています。


この団体では「IUCNレッドリスト」というレッドリストが作成されています。


また、レッドデータブックは日本の都道府県ごとに作られており、「レットデータブック 都道府県名」で検索すると各地域のレッドデータブックをみることができます。

2. レッドリストのカテゴリー(ランク)

レッドリストには、絶滅の危険性ごとに9個のカテゴリー(ランク)があります。



2020年の改定では、動物約42,000種、植物約16,400種の合計約58,400種が評価され、5,811種が下の表の9つのカテゴリーに分類されました。


中でも、黄色のラインが引かれている4つのカテゴリーは一般的に「絶滅危惧種」と呼ばれます。


つまり、日本には、3,716種の絶滅危惧種がいるということになります。

カテゴリー
(ランク)
説明動物
の数
植物
の数
合計
絶滅
(EX)
日本ではすでに絶滅したと考えられる種4961110
野生絶滅
(EW)
野生の状態では絶滅したと考えられる種11314
絶滅危惧Ⅰ類
(CR+EN)
絶滅の危機に瀕している種74913612110
絶滅危惧ⅠA類
(CR)
近い将来野生での
絶滅の危険性が極めて高い種
絶滅危惧ⅠB類
(EN)
ⅠAほどではないが、近い将来野生での
絶滅の危険性が高い種
絶滅危惧Ⅱ
(VU)
絶滅の危険性が増大している種6979091606
準絶滅危惧
(NT)
現時点で絶滅の危険性は少ないが、
「絶滅危惧」になる可能性のある種
9434211364
情報不足
(DD)
評価するだけの情報がない種349195544
絶滅のおそれの
ある地域個体群
(LP)
ある地域でのみ絶滅のおそれが高い種63063
参考:環境省 報道発表資料(2020年3月27日)



この表をみると、日本だけでも多くの生物がすでに絶滅したり、絶滅の危機に瀕していることが分かりますね。


より詳しく掲載されている生物の種数を知りたい方は、環境省の報道発表資料(2020年3月27日)の中の「別添資料1 環境省レッドリスト2020の掲載種数表」を参考にしてください。

3. 世界・日本の絶滅危惧種の種数

世界の生物のレッドリストは「IUCN(国際自然保護連合)」が作成しているもの。
日本の生物のレッドリストは「環境省」が作成しているものを参考にしました。


世界のレッドリスト(IUCNのレッドリスト)には、2019年12月時点で112,432種が掲載されており、そのなかの30,178種が絶滅危惧種として認定されています。


日本の環境省のレッドリストには、2020年3月27日時点で5,811種が掲載されており、そのなかの3,716種が絶滅危惧種であるとされています。

4. 日本の代表的な生物

※今回紹介する生物は、環境省が2020年に改定したレッドリストの内容を抜粋して掲載しています。


詳しくは、環境省の報道発表資料(2020年3月27日)の中の「別添資料3 環境省レッドリスト2020」を参考にしてください。


【絶滅(EX)】
ニホンオオカミ、二ホンカワウソ、オキナワオオコウモリ


【絶滅危惧ⅠA類(CR)】
イリオモテヤマネコ、ラッコ、アマミノクロウサギ、コウノトリ、トキ、ヤンバルクイナ、エトピリカ


【絶滅危惧ⅠB類(EN)】
ライチョウ、アカウミガメ、ナゴヤダルマガエル、トラキチラン


【絶滅危惧Ⅱ類(VU)】
トウキョウトガリネズミ、ウズラ、アホウドリ、アオウミガメ、ヤエヤマセマルハコガメ、オオサンショウウオ、シラタマホシクサ


【準絶滅危惧種(NT)】
エゾナキウサギ、ハヤブサ、ニホンイシガメ、シリケンイモリ、アカハライモリ、トノサマガエル

アマミノクロウサギ

ヤンバルクイナ

5. まとめ

今回は、「レッドリスト(RL)・レッドデータブック(RDB)」について解説していきました!


最後に、今回の記事のポイントを下にまとめました。

  1. レッドリスト・レッドデータブックは環境省などが作成している。
  2. 環境省のレッドリストには絶滅(EX)などの9つの項目がある。
  3. 世界には30,178種、日本には3716種の絶滅危惧種がいる。
  4. トキ、コウノトリ、イリオモテヤマネコなどが絶滅の危機に瀕している。


この記事を読んで、身近な様々な生物が絶滅の危機にあることを知っていただければ幸いです。


最後まで、記事を読んでいただきありがとうございました!!