中学校の理科では「金属の性質」について学習しますが、磁石にくっつく金属の種類は知っていますか?
この記事では、「磁石にくっつく金属の種類」「ステンレスと磁石の関係」などについて解説しています。
それでは早速、「磁石にくっつく金属」について一緒に勉強していきましょう!
1. 磁石にくっつく金属
磁石にくっつく金属は「鉄(てつ)」「ニッケル」「コバルト」の3種類のみです。
金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウムなどほとんどの金属は磁石にくっつきません。
「金属 = 磁石にくっつく」と思われがちですが、誤った情報なので、知識をアップデートしておきましょう!
今回は、「磁石にくっつく金属」がテーマなので、「鉄(てつ)」「ニッケル」「コバルト」の3種類について詳しくみていきましょう!
① 鉄(てつ)
【基本情報】
原子番号:26
元素記号:Fe
分類:遷移金属
原子量:55.842
鉄は、皆さんもしご存じの通り、身近な色々なものに使われている金属です。
包丁、車、スプーンやフォークなど様々なものに含まれています。
よく利用されている鉄ですが、錆びやすいという欠点があるため、錆びにくくするために、炭素と鉄の合金の「鋼(はがね)」やクロムやニッケルと鉄の合金の「ステンレス」としてよく利用されます。
② ニッケル
【基本情報】
原子番号:28
元素記号:Ni
分類:遷移金属
原子量:58.69
ニッケルは銀白色の金属です。
ニッケルの単体は、磁石にくっつく性質があります。
単体で利用されることはあまりないですが、鉄やクロムとニッケルの合金の「ステンレス」や銅とニッケルの合金の「白銅」として利用されます。
白銅は、50円硬貨や100円硬貨、ナイフやフォーク、フルートなどの管楽器につかわれます。
また、ステンレスは洗濯機や冷蔵庫などの家電、食器、鍋、スプーンやフォーク、車、電車など様々なものに使われています。
③ コバルト
【基本情報】
原子番号:27
元素記号:Co
分類:遷移金属
原子量:58.93
コバルトは、銀白色の金属です。
コバルトも単体で使われることはあまりありませんが、合金や化合物としてよく利用されます。
コバルト合金は、高温でも摩耗しにくく、腐食しづらいため、飛行機のジェットエンジンやヘリコプターのガスタービン、航空機の表面のコーティング、人工関節などに使われています。
また、コバルトの化合物も様々な用途で使われています。
ガラスに「ケイ酸コバルト」をいれると、青色のコバルトガラスになります。
「アルミン酸コバルト」は、青色の顔料として、陶器の着色や絵の具として使われます。
「塩化コバルト(Ⅱ)」は、乾燥していると青紫色、湿気があると赤紫色になる特徴からシリカゲルに混ぜられます。
「コバルト酸リチウム」は、リチウムイオン二次電池に使われています。
2. ステンレスと磁石
ステンレスには、磁石につく種類とつかない種類があります。
磁石がくっつく・くっつかないの決め手はそのステンレスに「ニッケル」が含まれているかどうかです。
ニッケルは、単体では磁石にくっつきますが、鉄との合金になると、磁石にくっつくのを阻害する性質があります。
そのため、ニッケルが入ったステンレスは磁石にくっつきません。